■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[18axx釋獸]■■■
ネズミの甲骨文字は{"小(バラバラな三個小點)"+口開き頭+胴体(楕円)&前後足-尾}だが、これが巤{巛+龱+(𠄌⺀+𠄌⺀)+㇂}といった字体へと大幅なデザイン変更が進んで行く。"鼠"の場合は、頭部を臼歯で象徴したかの如く。(口内を観察した訳ではなく、死体の頭骨の形状が臼と考える方が妥当な気がする。)

結局のところ鼠とは穴蟲な訳で、"竄"は、穴冠の文字だから、その字義も想像がつき、いかにも感を覚える。一方、≪巛≫巤/鼡の方は、字体構成が似ているにもかかわらず、すぐには関係性が見えてこない。
一般的には、こちらの文字の場合、犬と共に獸の狩猟を行う意味の"猟"という文字の発想で考えるからでもある。
しかし、よくよく考えれば、"巤"とは狩猟動物ということになるので鼠が関係する訳がない。要するに、ここでの"巛"は"小"の三個小點ではない。混乱を防ぐには、ネズミの3点を取り払ってしまい、"鼠"にするのがベスト。
そこらがまさに官僚の才覚。
(「說文解字」とは、小篆創成官僚の考え方を推定したものであって、漢字由来を探るつもりなどない。統一母集団を設定することで、官僚達の考え方の根底に流れている儒教的思惟を探り、文字宇宙観を提起したことになる。)

"巛"は"タテガミ"(頭部〜首筋に生えている長い毛)
      …[立髪]日本列島棲息動物には無かった。
  鬣=⿱[髟+巤]@上(背)側 ≠㲱@下側
      ≪辵≫巤:毛巤 象髮在囟上及毛髮巤巤之形
馬…𩧆/騣/騌 馬冠
牛…巤牛
豕…
他…(ラクダ セーブル ライオン ハイエナ タテガミオオカミ ヒヒ ヤマアラシ)
魚…魚名 or dorsal fins
虫…wax
  

     

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