■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[18b釋獸]■■■
[守備者]とは狩獵対象の四足毛蟲の総称ということになろうが、「爾雅」は在野獣と在家畜(基本田畜)を豁然として区別することにしている。
おそらく、倭語はどちらも"介多毛乃"だろう。「古事記」では、山佐知毘古が取るのは毛麤物ケノアラモノと毛柔物ケノニゴモノとされ、狩の対象動物の様態での2大分類になっている。両者の、こうしたセンスは全く異なっている。
(次巻の釈畜で気付かされるが、こうした観念上の差は小さなものではない。天武天皇以後の日本国では家畜とは家居役用で無用時は休息し、ヒト同様に産死穢の対象となる。仏教の影響と言ってしまえば簡単だが、大陸の家畜とは食材そのもので、処刑前の監獄内置扱い相当に映っただろうから、禁忌が100%適用されたとはとうてい思えないものの、心情的には納得感があったのでは。)

さらに現代の分類上では、見鳥獸蹄迒之跡の"蹄"が重要だと考えられているが、この文字は非収録。(偶蹄類v.s.奇蹄類分類として習う。)但し、"蹯(肢掌)"とその足跡についての記載(釋畜の馬で記載の"蹢"が該当。)があり、関心が払われていなかった訳ではない。・・・
 貍 狐 貒 貈醜 其足 蹯 其跡 𠘯𠘯

ともあれ、獣の分類観はとらえどころがない。

齸屬
…食餌対応で峻別可能というかも知れぬが、その概念は計りかねる。
  ≪齸屬≫文字の「說文解字」での字義:
 【牛】⇒齝:吐而噍[齒+台]
 【羊】⇒齥:n.a.[齒+曳]
 【鹿麋】⇒:鹿麋粻[齒+益]
 【鳥】⇒嗉n.a.[口+素]
 【寓鼠】⇒嗛:口有所銜[馬勒口中][口+兼]
   …bite動物≒齧[噬]

須屬
 【獸】⇒釁:血祭
 【人】⇒撟:舉手
 【魚】⇒:面毛
 【鳥】⇒狊:犬視皃

鼠屬
 【鼠】⇒鼠:穴蟲之緫名
   …鼹鼠@土中 鼬鼠@陸上 鼯鼠@空中飛 (獺)@水中
      といった網羅感に乏しい。
寓屬
 【寓】⇒寓:寄
   …樹上棲息猿的動物
  
  "鼠"
     

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