■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[戾戻]■■■
🐕🚪が示されても、さっぱり想像力が働かない。
もっとも、現代日本だと、差し詰め、ご主人ご帰還を察して玄関に一目散の場面。ドアが開く前から嬉しくて尻尾を一所懸命振り続けるトイプードルということになりそう。しかし、その気になれば、突拍子も無いお話を含め、いくつでも作ることができるが。

ともあれ、愛玩犬の世界が当たり前の時代感覚からすれば、呪の世界用の甲骨文字に必要な文字とはとても思えないということになろう。はてさて、小篆創成官僚達はどんなイメージを抱いたのだろうか、と思わず考えさせられるのが"戾"文字。
#377≪犬≫戾㊎🆂"もとる":曲 犬出戶下 戾…身曲戾
   戸下に犬牲を埋めて呪禁とする意。 @「字通」

失礼ながら思わず笑いそうになるのが「"戻"は別字ですゾ。」と言わんばかりの文字紹介がある点。
はたして"戾"の代替字以外に用例が存在しているのかはなはだ疑問だからだが。
#437≪戶≫:輜車㫄推戶
この語彙、"ほろぐるま"らしいが、よくわからん。(衣服荷車なら戸が必要とは思えないし。幌だとヒト乗車には向かないから、"大"は遺骸か柩になろう。あるいはレガリア運搬車かも。)
ともあれ、"戾"はdoorではなく、dogの様態を示している文字と指摘している訳だ。

犬は戸を潜り抜けて何処に至るのかわからぬが、確かに、あてはまりそうにも思えてくる。
 [字義]bent twist perverse turn come-to

一方、白川論は邪を封ずる風習の存在を、この文字に見る。大規模犬牲が行われていたことは知られているものの、"戸"文字として表記する理由は自明ではない。しかし、前者の想定同様にありえそう感を醸し出している。
 [字義]pestilence crime

どちらの説にしても、上記の両字義を同時に満たす様な解釈は難しそう。
 [用例]
 鳶飛戾天 魚躍于淵 豈弟君子 遐不作人[「詩經」大雅 文王之什 旱麓]
    …疾的到達
 鴥彼飛隼 其飛戾天 亦集爰止[「詩經」小雅 南有嘉魚之什 采芑]
 匪鶉匪鳶 翰飛戾天 匪鱣匪鮪 濳逃于淵[「詩經」小雅 谷風之什 四月]
 周宗既滅 靡所止戾 正大夫離居 莫知我勩[「詩經」小雅 節南山之什 雨無正]
    …流落奔逃

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