■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[象]■■■
ゾウの甲骨は単純明快。
  #369≪象≫【象/𤉢】🅱🆂

しかし、小篆のこの文字単独からゾウを想起するのは、実は、かなり難しい。巨大さを示す表示は無いし、鼻が長いことが自明な訳でもないからだ。線にしても5本あって何を指すのかはなはだ紛らわしい。
しかし、両者が同一動物の象形文字で連続性有りとの前提に立てば、対応をつけることは容易とされている。
  ①⺈…鼻
  ②𫩏…頭   (𫩏≠吅)
  ③𧰨…体躯  (文字系譜は豕─象)

この論理どこかおかしくないか。
小篆成立時、甲骨文字がすでに広範に使用されていて、それを規格化したというならわかるが、それなら「說文解字」成立時にそのことが知られていないとは考えにくい。(叙では、甲骨の存在は無視されている。文字として存在しているとの認識が無かったと解釈されている。)

それに、この小篆文字は、明らかに上部を目立たせるデザインではないから、3部構成⿳ではなく、2部構成⿱と思うが。
  ①{⺈+𫩏}…頭部
  ②𧰨…胴体
・・・どう考えても、小篆の設計字体思想は、甲骨のE-moji的表現🐘とは異なっており、連続性は無い。

鼻についても、⺈が似ていると言えるかはなんとも。長い鼻を文字化するなら、下部に到達する厂的垂れの表現が妥当。鼻としても、⺈に当たる箇所は長さを感じさせず、上向き下向きさらには曲げることが自由自在であることを強調しているとしか思えない。
甲骨の直観的な側面写生的的標章とは全く違う。それぞれの意味をできるだけ表現しようと抽象化に努力している可能性が高いからだ。

鼻が付いている以上、𫩏が頭基部となるが、吅的な形であり、対である目や牙、頬ではなさそうだから、耳の表象としか考えられない。
馴化では耳を使う必要があるのに、甲骨は牙はあっても耳が描かれていないようなのが不可思議。
正面から見た頭部を牙無しで、曲線体/直線体で描くとしたら耳は不可欠だと思うし。
  {0g0} {}
    …前者は下垂鼻。後者は役活動での上向き自由自在鼻。
ただ、そうなると、小篆には頭部に牙が無い。極めて重要な産品であるにもかかわらず、牙と認定できそうなのは、躯体側の線。これ又不可思議。

ともあれ、両者の感覚には相当な乖離あり。

INDEX   ------------------------------------------------------
「說文解字」検討  「爾雅」検討  📖古事記を読んで

 (C) 2025 RandDManagement.com  →HOME