■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[王]■■■
≪玉≫部には"𤣩"偏文字がずらりと並ぶ。タマへの思い入れが極めて強い社会だったことがよくわかる。📖玉
字体的には、偏にすると、"丶"は省略されてしまうので、<おうへん>と呼称するようになりつつあるが、出自からすれば<たまへん>。今後、どうするか悩ましいところ。

この問題は小篆創成時点でも生じていたようである。そこらの事情の、シナリオ的解説を見かけないので、書き留めておこう。なんら難しい話ではなく、「說文解字」に書いてあることを、状況から判断して想定するだけのこと。

先ず、"玉"だが、均等間隔に並べた、3本の同一長横棒を配置し["☰"]、縦棒"⎹"で串刺し的に上下を貫く象形文字[""]が大元だと思われる。[三玉之連]とは玉多数を意味しており、縦棒は糸紐だろう。
ただ、当初の身に佩びるだけの役割から展開が進んだため、上下の貫き部分が無くなってしまったようだ<>。つまり、"王"の元義はタマ。この場合、横棒は等間隔同一長になる。

一方、King/monarchの文字だが、clanのリーダーであるからして、その権力の象徴たる字形になって当然。王権象徴の台上で貫頭衣着用で宣明する姿とか、武器的レガリアの象形が一番似合う。しかしながら、小篆創成期には、こうした風景はすでに王として似つかわしくなくなっていた訳で、儒教的には為政者としての厳が求められる様になっていた筈。
・・・甲骨・金文感覚を引きずれば、鉞的象形文字とならざるを得ないが、その場合は、例えば、"𠙻"となる訳だ。しかし、これは拙い。[天 地 人之道]という思想を彷彿させることはあり得ないからだ。従って、King/monarch文字はレガリアではなく、[天下所歸往]という政治的意義を示す字体へと変更になる。<三→王>この場合、小篆の字形ではっきり見てとれるが、上2本の横棒と下1本の間隔は広い。等間隔のタマとは異なる。

権力的用語のmonarchと魂的用語のjadeは本質的にジャンルが違う筈だが、タマは徳ある石と定義されることになったので、権力者は徳のある大人たるべしとの政治思想上、両者は混淆することになる。結果、王座≒玉座となる訳で。
要するに、<丶>は字義に関係ない、読み点ということになろう。王がmonarchでなくjadeであることを間違わないようにするための表示以上ではない。

三   #004≪三≫【三/弎】:天 地 人之道[三數]
├┬┬┐
王│││#005≪王≫【王/𠙻/𤣩】🅱㊎🆂:天下所歸往
││││   King/monarch[一+土] or [三+h]
│玉││#006≪玉≫【玉/𤣪】🅱🆂:石之美 有五コ・・・
││││   jade[丶+王] [一+圡] or [三+h+丶][三玉之連]
││││        ≒玊(瑕玉)
│玨││#007≪玨≫【玨/瑴】🅱㊎🆂:二玉相合爲一玨
│ ││   jade joined together[𤣩+王]
│ ││      ≪殳≫㱿:从上擊下[殳+𡉉]
│ 气│
│  士#009≪士≫【士】🅱㊎🆂:事 數始於一 終於十
│      officer[一+十]
h:上下通

  #174≪丶≫ 主🅱㊎🆂:鐙中火主[象形][丶+亦]
     host/owner[丶+王] or [亠+土]
  #295≪𡈼≫【𡈼/𡔛】:善[人+士 士…事]
     stick out(挺)[丿+土]
       徵:召[微省 壬爲徵]行於微而文達者 即徵之
  #523≪壬≫【壬】🅱㊎🆂:位北方 陰極陽生
     9th@十干[一+士]
  #480≪土≫【土/𡈽/圡】🅱㊎🆂:地之吐生物者
        [二象地之下 地之中 物出形]
     land[一+十]

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