■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[玄𠫓]■■■
"玄"㊎🆂は、≪幺㊎🆂≫部所属の<鍋蓋"亠"🆂>付という印象を与えるが、個々の文字に注視せずに、完璧な字体系譜を仕上げようと考えるなら、独立部首になるのは必然。
すでに"玄"は"幺糸"で採り上げたが
📖、"亠"を意味なくつける訳もなく、白川論では糸束を纏める部分に当てられることになる。

この"幺"と"糸"の峻別だが、「說文解字」を読む上で、浅学者には極めて難しい箇所。・・・
と言うのは、系譜的には羊の角から繋がっている𠦒→冓→幺と認定する以外になさそうだから、よくわからん状態。
一方、糸は弓系で解りやすく、対照的。
両者に接点なき系譜だから、糸⇔幺をアプリオリに考える常識とは相容れないのである。

要するに、「說文解字」は幺⇔子としている訳で。
"玄"の"亠"を語ろうとすると、この点で、知らん顔をする訳にはいかなくなって来る。
  #123:小[象初生之形]
  #467糸🅱㊎🆂:細絲[象束絲之形] 糸たばの形。@「字通」
𠦒
│  #121≪𠦒≫ 棄/弃:捐[廾推𠦒棄之 𠫓…逆子]




𢆶         幽:隱[山中𢆶]
├┬┐
叀││
 玄│#126≪玄≫【玄】:幽遠 K而有赤色者爲玄[象幽而入覆之]
  │   #019≪牛≫ 牽:引前[牛 象引牛之縻 玄]
  │   #484≪田≫ 畜:田畜
  予

- 十二支系列 -


├┬┬┐
了│││
 孨││
  𠫓│#528≪𠫓≫𠫓】🆂
   │      :不順忽出[到子 不孝子突出 不容於内]
   │ #528≪𠫓≫ 育:養子使作善[𠫓+肉]聲
   │  #121≪𠦒≫ 棄/弃:捐[廾推𠦒棄之 𠫓…逆子]
   │  #311≪儿≫ 充:長 高[儿+育省]
   
   │
   寅



├┬┐
素││
 絲│

  率#470≪率≫【率】:捕鳥畢[象絲罔 上下其竿柄] 📖幺糸
  │
  虫

白川論は説明が少ないので、論拠を理解するのは骨だが、"玄"を黒染め糸の類なのは当たり前と考えているようだ。そのため、「說文解字」の論理がさっぱり見えてこない。
従って、大胆な推測であっても、そこらを解釈しておく必要があろう。・・・

甲骨での、色彩は2タイプ存在している筈。
1つは色染めで、もう1つは犠牲の外見。両者共に呪的世界での表記で、色彩という現代の感覚と同じ訳ではない。前者の対応文字はKだろうが、おそらく後者は幽。両者ともに古い言葉だろうから、糸染めの派生的文字になる訳がなかろうというのが「說文解字」の姿勢。
幼とか畜といった類の文字群の世界に、小篆創成官僚が糸の概念を取り入れているとの発想自体が奇異との判定。

Kは、すでに、甲骨で呪的色彩用語として確立していたと思われるが、レガリア的物品の装飾表現でもある金文では使用が避けられており、その代替は玄。そうなると、文字継承を前提すれば、糸染め系文字と見なすことになろう。
しかし、「說文解字」の姿勢からすれば、たとえ甲骨の知見があったとしても、幽→玄ということでしかなかろう。色彩の抽象化で、black該当文字が、K 幽 玄と広がったに過ぎない訳で。染色とか牲獸という概念とは次元が異なるのだから。

「說文解字」で部首に該当しない字素を部首とする方針自体は、辞書検索機能上極めて優れている。現代辞書では、<意味無し>と定義するのが妥当と言えよう。

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