■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[鼠]■■■
"鼠"文字は、甲骨→小篆の繋がり方が明瞭そのもの。
  #379≪鼠≫【鼠】🅱🆂
E-moji(🐀🐁)と比較するとさらによくわかる。

3者共通に一番目立つのは尾。
甲骨はプリティブな側面像表現で、胴体に一対の足。画家的センスあらば、前足を目立たせるE-moji的な方を嗜好するだろう。小篆に至っては一対の前手のみで、胴体などはなから無視である。
甲骨とは観察眼が全く違うことがはっきりしている。チョロチョロ動いて餌(3つの小点)を探し廻る動物というコンセプト
📖ではなく、当該動物の概念化を図っている。文字とは、そうあるべきという思想が根底にあるからこその創作と見て間違いなかろう。
①齧歯の口、②一対の器用な手、③長い特徴的な尾で十分と、すぐに意思一致を見たに違いなかろう。E-mojiの如く、耳が可愛いネ的な感興など埒外。

"鼠"文字は小篆の精神を引き継いでいる。head-legs & tailの直立像であり、概念の抽象化をさらに磨いたとも言えそう。・・・
①はママ"臼"mortar。シンボル化している訳で、rodent(rat mouse squirrel mole etc.・・・)という現在の概念と何ら変わらぬ。
②は手的足1対を"𠄌⺀+𠄌⺀"とした。これでは何のことやら。しかし、足には4点との堅物思考には逆らえまい。
小篆のコンセプトからすれば、ここがKeyで、穴蟲属としての重要な機能表示そのものだが、後世の官僚はそれを理解できるレベルに達していなかったことになろう。
③の尾はママ"㇂"。

・・・この様に考えると、「說文解字」の文字系譜での鼠の位置設定が周到に図られていることがよくわかる。(実際の思考は、この逆。系譜を眺めて、足表記の関連性が要検討と気付かされる訳だ。)

人─儿─頁─𦣻─須─髟─長─勿
┌──────────────┘
/彘:竭其尾 故謂之豕    …[豕]象毛足而後有尾
├┬┬┬┬┬┬┐  …[彘]二匕 彘足與鹿足同
│㣇彑豚豸易象  …[象]象耳牙四足之形
│    𤉡/兕
├┬──┐
馬𢊁  鼠──┐
 ├┬──/熋 …[能]足似鹿
 鹿㲋    │  …[鹿]象頭角四足之形 鳥鹿足相似 匕
 │├┐   │  …[㲋]頭與兔同 足與鹿同
 麤││   │
  兔犬   
  │ (犭)
  ││
  萈㹜      …[萈]兔足

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