■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[龍@系譜]■■■
巻十一は"水"の巻として編纂されていることは、ほぼ自明だが、巻末辺りの系譜をどう設定しているのかすぐに見えて来ない。
しかも、次巻への繋がりもよくわからない。

そんな疑問を起こさせるのは、中華帝国シンボルマーク的扱いのDragonが字体系譜でどう扱われるのか、気になっているからでもある。楷書体では脚付蛇系で頭を天に向ける卜冠的動物の象形に読めるので、魚と違って水棲を示唆する理屈をつけるのは難しそうだし。と言っても、系譜スキームで考えれば瀧を天からの啓示とすれば、まさしくこの巻のハイライトと化す訳で十二分に納得できる仕掛けは用意されている訳だが。
  龍=𦚏[立+肉]+{⺊+(己+三)}

系譜スキームで眺めると、<巻十一冒頭[#410]⇒巻十一末[#424〜#430]⇒巻十二冒頭[#431 & #437/438]>はこうなる。・・・
 ┌─← or 𢗷:n.a.@心[#408]
 │┌←㳄[#322]
_水/氵#410→沝
│⮞瀧
_龍#427 →龖 龘 𪚥
││⮞𪚢
││┌→飞
│飛/𠃧#428 →飝/𮸽
│ │
│ └─┐
│⮞𦒮
│ ┌─┘
│ │⮞𦐭
│┌┘
_羽#108 ←习
 │⮞翡
 非#429
 │⮞扉
 戶/戸[#437] →門[#438][𠁣+𠃛]

𠃧←飛[𠃧+丿+丿+�h]#428
↓
飞[⺄+丿+丶] ←⺄ →𰀰
↓
卂[⺄+十]#430 ←𰅯
↓
𠃉(/乙)#431…玄鳥/燕(飛翔航跡)
   水/氵
   │⮞𤃇
   燕/𱍥[#426]
    水/氵
    │⮞漁
    魚/𩵋[#424]…水蟲 魚尾與燕尾相似 →𩺰[#425]

言うまでも無いが、瀧漁𤃇や𪚢以外にも合字はいくらでもあり、他の巻所収になんの難しさも無い。つまり、この組み合わせを選び出した思想的根拠を読み取れと指示している様なもの。
にもかかわらず、多くの場合、それが明示されていない。お蔭で、現代人からすればほとんど穴埋め難解パズル状態。

上に記載した様に、読者は自分の頭で考えて系譜の意味を推測するしかない。もともと対象読者は科挙合格者レベルだからおかしな姿勢ではないものの、正解を判定する手掛かりがないので厄介至極。
辞書駆使と「五経」丸暗記に精を出し、世渡り上手を目指す輩だらけになりつつある、漢代官僚層の状況に嫌気気味だった可能性もありそう。

【ご注意】上記で用いている楷書文字はその対照古字が小篆及びそれ以前には存在していない場合が少なくない。しかし、残存している以上、「說文解字」を検討の上で齟齬が無い様に造字化されたに違いなかろう。そこには、2000年に達しそうな長い年月に渡る「說文解字」研究成果が籠められていることになる。・・・系譜検討の場合、何時誰が何の目的で新字化したかを検討する必要性は薄いということ。

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