■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[𠃉西鹵]■■■
巻十二の頭文字は"𠃉"。前巻の"飛"から繋がっているということで、ツバメの飛行跡象形と見たが、そう書いてある訳ではない。
こう考えると厄介なのは、この続き文字"西"とどの様な字体上の関連性があるのか見えてこないこと。

"西"は小篆的字体上では"㢴"が近く、これを巣と鳥の象形と考えているとしたら、弓型部位は親鳥と云うことかも知れない。そうなると、"𠃉"は弓の形状と言うことになり、ツバメ親鳥の象形なのだろうかと思ったり。とは言え、燕の字形は鳥とはかけ離れているので、できればこの手の想定は避けたい。
それに、細かいことを言うと、ツバメの巣はこの象形では拙い。燕は烏の様な籠工作者ではなく、左官職人だからだ。ここでの玄鳥とはツバメでは無いというならかまわぬが。
古代音についての議論は"全て"避けるのが賢明だが、鳴き声が鳥名に関係するらしいので触れておこう。日本でのよく知られる鳴き声は飛んでいて電線に留まろうとする時なので参考にしない方がよさそう。巣で親鳥が鳴く場合は"jyui"が当たらずしも遠からず。これが"乙"の古代音に近いということかも。

しかし、"㢴"で考えてしまうと、今度は"西"に繋がる"鹵"との関係が今一歩しっくりこない。"西"の省略形とされているので、"㢴"よりは"卤"[⺊+龱]の字体とした方がスムース。"𠃉"も"𠧒"[⺊+乙]とした方が字体系譜感を醸し出すことができそうだから。
そうすれば、"鹵"が[⺊+𱕻]となる訳で。
・・・この⺊冠に何の意味があるのだろうという疑問に直面することにはなるものの。卜占と関係していると見なす訳にもいかなさそうだし。


沝瀕𡿨巜川泉灥永𠂢谷仌雨雲魚𩺰
├─┐
│ 燕

├─┐
飛 │:翥[象形] (𩙺:翄)
│ 
├─┐
│ :疾飛[飛而羽不見]
├─┐
𠃉 │:玄鳥 齊魯謂之𠃉 取其鳴自呼[象形] 
📖燕
│ │/鳦/(乙)
│ │[⺊+乙]/[俗字]𠧒≒乞> 📖气氣
│ │
│ 
│ │
│ 

西🅱㊎🆂:鳥在巢上[象形]日在西方而鳥棲 故因以爲東西之西
│  /㢴/𢏩
│  [⺊+龱]/卤/𠧧/卥  (≠卣/𠧪)(小篆は龱や囪ではない。)

鹵🅱㊎🆂:西方鹹地[西+省 象鹽形]安定有鹵縣
│            東方謂之㡿 西方謂之鹵

│  [⺊+𱕻]     (小篆は𠂭ではなさそうだが。)
│    鹹:銜 北方味 salty

鹽鹽🆂:鹹[鹵+監] 古者 宿沙初作煑海鹽
rock-like salt
│┌→𪉟table salt
││ 𮭭
└┼→䀋wet-salt in earthen-wear
 └→𤅸seasalt

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