■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[賣]■■■
貝🅱🆂と罒を重ねる合字"買"とその対称語"売"がどうして生まれたのか、考えてみたくなった。

別に難しい話をしたい訳ではない。賣/売というよく知られた文字を採り上げようというに過ぎない。
それに、この"売る"とは、"買う"の対称用語。字体構成的には"出网貝"との印象を与えるから、解り易い部類に入るだろう。
従って、しいて検討する意味はなさそうに映るが、買う方が"入网貝"的になっていないところが気になるのである。・・"网貝"だけなら、貝狩りの収穫を意味するだけで、交易用語には不適当というだけに過ぎないが。もっとも、実際には貝貨を意味していた筈だから、それで構わぬということかも知れないが。
#213≪出≫
  賣🆂:出物貨 [貝++士(出)]  ⇒(罒)
     儥…賣
#228≪貝≫
  買㊎:市 [貝+]
  賈:賈市 [貝+](襾:覆[冂 上下覆之])=𧸇[貝+𡍬(圥+)]:n.a.
     嬻:媟嬻
     𨽍:通溝

この罒とは、#279≪网≫での冠表記だが、この部に属す文字は、 部首文字と䍑を除けば、すべて【罒】形。
网…罨 䍑 𦌾 䍙 𦌔 䍘 罩 罾 罪 罽 罛 罟 羀 罜 䍡 罧 罠 羅 罬[常用]罪署[署]置罵罰罷羅
この部品だが、网以外の冠的表記可能性がある文字として【目の転倒型】があげられるが、存在していた兆候は全くない。

他には、罒とは全く異なるが、類似に映るらしい四/囧があげられよう。
こちらは、【囗の"八"割】形、あるいは〖窓的4分形文字(囧)〗の省略形と思われる。
   𧶠:n.a.
     囧🅱㊎🆂:窻牖麗廔闓明
四/囧と、貝との合字がどうした経緯でうまれたのか、はなはだわかり難いところがある。
もっとも、だからこそ、罒=になってしまうのだろうが。
  讀:誦書   ⇒(罒)
  續:連    ⇒(罒)
  瀆:溝    ⇒(罒)
     贖:貿
     藚:水榖
     櫝:匱 (匵:匱)
     牘:書版
     黷:握持垢
     犢:牛子
フォントが小さいと両文字の差など見えないから、こういうことになったのかもしれない。印刷が始まって生じた現象の可能性もあろう。

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