■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[巴]■■■
"巴"について。

もともとの"十干"<甲乙丙丁戊己庚辛壬癸>とは、暦上での1ヶ月(=3旬)表示用殷王朝公用語彙だったのは明らか。
言うまでも無く、"十二支"が12ヶ月表記用。こちらは、おそらく周代に確立された規定。組み合わせで60年分を表記できることになるが、これは五行に係る記載方法だから、標準化はさらなる後世ということだろう。但し、逆転した解説もあるので、別の見方があるのかもしれない。

巴は"十二支"用語であるから、常識的には、己と間違うことがありえそうにないが、時に恣意的誤用で己[土弟]を代替することがある。(戊[土兄]と戌なら単純模写だと汚れによる誤記がありえそうだが、こちらは見かけたことがない。)
後付け的お話でしかないが、官僚は1旬1回の沐浴洗濯休暇があり、文字上は"澣"だったらしい。その省略表記が"干"であるとか。五行対応十干<えと[兄弟]>化は論理性に乏しく儒教国家的強権発揮で行われたに違いなく、それを揶揄する手の意味付けは必然的に生まれることになろう。

#519【巴】🅱🆂 :蟲 
📖国名
   器の把手の形@「字通」
   ㊔⇒ ①big snake ②greatly desire
・・・巴=𢀳≒邑(巴の合字は意義が拡がっているので、邑を代表としているだけかも。素人的には、色でもよさそうにも思えるが。)という見方があり、🆂小篆字体は、<人(屈んだ状態)+彐(モノを握る手)>の象形に映るという見解が多いようだ。🅱甲骨は腕を前に出している跪いたヒトの姿だが、その腕に被せているモノがある。両者に連続性は感じられないが、比定が間違いとの指摘がなされている訳ではない。
渦巻と言うことでは無く、ヒトに"絡み付く"というイメージが根底にありそうに思えるが、その手の主張は見かけない。と言うか、それを示唆する用例は無さそう。
①蟲big snake
   ⇒地名@四川域:越&巴 蜀&…トーテムの名残
②皮革製轡(馬韁)halter reins
③射撃標的(靶子)target
④柄(把手)handle
⑤[h+卩]@甲骨…跪いている人[卩]の前に棒状の物
(合字"色""肥"の場合のみ)跪いた人の側面形[卩]
⑦篆書体⇒Jp.渦巻[模様]
Jp."トモヱ"(鞆絵)
⑨恣意的誤用⇒己@十干
己巳已の3文字が、巴と似ているとは思えないが、気になる合字があるので、触れておきたい。
  爬:n.a.・・・搔 crawl
  蚆/𧵅:n.a.・・・貝名称(貨幣@巴)

差異が小さくて、紛らわしいというに過ぎないだけではあるものの。
[漢字暗記用言い回し]
 <"み(シ)"は上に
    "すべ(イ)"は半ばに、
      "おのれ(コ/キ)"は下に。>

#518【己/𢀒:中宮 象萬物辟藏詘形 己承戊[象人腹]
[字体見解1]embryo
[字体見解2]silk rope for binding objects
the sixth@十干-五行 [つちのと:土弟]
oneself/I"おのれ(コ/キ)"…一人称
private
#533【巳】:巳 四月 陽气巳出 陰气巳藏 萬物見 成文章 故巳為蛇[象形]
the sixth@十二支
   →年月(April)日・方角(南南東)・時刻(10:00am)の名称
②蛇"み(シ)"
____【已】:n.a.
   ・・・【巳】の類と考えるしかなさそう。
   →≪巳≫:用[反巳 象形]
already"すべ(イ)"…Jp.已然形
stop

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