■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[丄丅]■■■
掌の上を見せて、普通は、上方を示すことは無い。そのゼスチャーなら👆か、かつてのエレベーターガールの手の仕草が普通だろう。
ところが、"上"文字表現ではそうはいかない。

白川論が正論を展開しているから、とまどう訳である。
    掌上に指示点を加えて、掌上の意を示す。@「字通」

ところが、金文になると𠄞。直線化しただけと言えないでもないものの、ここでの下線は水平線としか思えないので、連続性ありと言えるのか気になる。

小篆になると下部直線もさることながら、上部が目立つからでもある。下から立ち昇るかの様な(⇡)印象を与えるゆらぎ線が登場し、それに小さな━が付いている。この字体になると、掌の上を意味するとはとても思えまい。

これこそが、字体変遷の典型ということ。「說文解字」は冒頭からそれを示しているのだから。
その箇所を解釈し易い様に記載してみよう。・・・
#002
【丄】🆂:高
 上🅱㊎🆂
  𠄞≠二[2]
  ≒𫵂 𬅸 𢓺 𨑗
 
〖丅〗:底
 下🅱㊎🆂
  𠄟≠二[2]
  ≒≪厂≫:發石
ここでも、白川論が正論を展開。
    下は襾(覆う)で、
     字形・字義において上の対文である。@「字通」

"下"は字体が🜳型である以上、掌によるcoverしかあり得まい。しかし、"上"同様に金文では一直線化しているし、小篆は大まかには上下反転に近い。字義イメージを保持しているとは言いかねる。

さらに不可思議なのが、≪丄≫所属文字。
理念的に上帝ということでわかるものの、字体のどこに入っているのか、見えてこないからだ。
 帝/𢂇/𠫦🅱㊎🆂:諦
白川論ははっきりと言い切っている。
    示は一脚の小さな祭卓の形。帝はその下部を交脚とし、
         その交叉部を締めて安定したもの@「字通」
もっとも、小篆文字上部には丄は無いが、𠄞冠と言えないこともない。しかしながら、以降の文字は楷書型の亠。𠄞との関係性は無さそう。
字義としては、ほぼ天帝Godと思っていたが、どうもそうでもないらしい。ここも不思議な点。(倭には天帝概念は無いから、対応語彙はなく、"みかど"(御門)である。)
そうなると、「說文解字」の見解からすれば、下部は脚ではなく、柴的薪ということかも。捧げものから発生する煙が天に立ち昇り天帝に達する訳で。(尚、天帝祭祀用文字として別途"禘"がある。)

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