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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2008.9.24 |
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食材調達について…“We are what we eat.”・・・確かにそうだ。 冷蔵庫に詰め込まれた食材の様子は、それぞれの家庭の文化そのもの。 [米国人の冷蔵庫を覗きたいなら]→ FRIDGEWATCHER.COM 先日、フォアグラの話をしたら、お宅では、そんな超高級品を自宅で食べているのかと言われて驚いた。高級フレンチレストランでワインを傾けていそうなオジサンがそんなことを言ったからである。 ファアグラはレストランだけのものではない。置いているスーパーは限られているが、珍しいものではない。小生が購入したものだと、仏産フレッシュ(チルド肉製品)の小振りなもので1枚\400。倍のサイズ(50g前後)が置いてある時もあるが、これだと\700弱。冷凍品は欠品が多いが、大振りなので単価はさらに下。塊の5割引セール品がでた時もある。(もっと廉価なハンガリア産の塊も見かけた。) おわかりのように、安いものではないが、鮪とそうたいしてかわらない価格である。薄切り一枚なら、超高級食材という訳でもなかろう。 ちなみに、調理は簡単。軽く小麦粉をふってフライパンで熱するだけ。油は不要。オジサンでもすぐにできる。 ・・・といった状況を知らないと、間違った印象を抱く訳だ。 こんな話を突然したは、このような知識不足こそ、オジサンの欠陥ではないかと思うから。食に対する好奇心が旺盛な割りに、知識がえらく偏っているのである。 どうしてそうなるかと言えば、調理手法の習得や台所仕事のスキルばかり気にするからではないか。肝心なことを無視しがちなのである。重要なのは、以下の点である。 ・どのように食べたいかという「全体観」 ・それに合わせた「食材選択」と「調達技術」 ・そして、不可欠なのが、「後片付けの仕方」 今回は、そのうちの食材調達についてご説明しよう。ちっとも面白くない話だが、ここら辺りで触れておかねばなるまい。 さて、先の「フォアグラ」が売っていることを知らないのは、どうしてかと言えば、「週1回決まった日に、買う物メモを作って、買いにいく」習慣を身につけていたりするからだ。「フォアグラ」がメモに登場することは考えにくい。つまり、こんなやり方をしていたら、食べてみるチャンスは巡ってこないということ。 小生にとっては、何故メモしてから買いに行くのか不思議だったが、どうも、以下のような「お勧め」を広めた人がいるようだ。 ・週に一度、決まった曜日に買い物に行く。 ・無駄なものを買わないようにする。 -必ず、買い物メモを作ってから買いにいく。 -余っても冷凍保存できるものを選ぶ。 -メモにない、余計なものは買わない。 -使い切る量以上は買わない。 小生は、これは食の楽しみを消し去るようなものだと思う。それに、調達スキルがつかないから、オジサンにとっては逆効果だと思う。 まあ、車でスーパーに行くしかない状況であれば、週末にまとめて買いこむやり方が合理的だから、それはそれでよいと思うが、その必要がないなら、やめた方がよかろう。 こんな買い方をお勧めしている人は、「お取りよせ」や「頂きもの」が家に溢れていたり、魚屋さんなどの「ご用聞き」をもっている人ではないか。宅配やインターネット通販は拙宅も使っているが、それだけでは楽しい食生活が送れるとは思えない。店で、その場で臨機応変に購入するから楽しいのである。 そもそも、調達の仕方とは、各人各様。その工夫にこそ意味があると思う。 ビジネスでも同じことだ。例えば、30万台自動車を作る場合の調達方法といっても、確実にその数を作ることを前提にした部品調達もあるだろうが、3万台で終わるかもしれないし、60万台の大ヒットになるかも知れないといった調達もある筈だ。さらにオーダーメイド自動車なら、全く別になろう。われわれの食事は、これ以上に様々なタイプがある。調達の仕方は千差万別と言ってよかろう。 人真似など止めるべきである。 小生は、オジサンは「週1の定期的な買い物」は、できるなら止めた方がよいと思う。時間があるなら、帰りがけにしょっちゅうお店を覗くことをお勧めしたい位だ。そうすれば、大量に仕入れた新鮮な良質な商品の売れ残りセールに出会うかもしれない。 それこそ、輸入チーズの賞味期限間近品の価格改定時間帯を見計らって行く暇人もいる位だ。(小生ではない。)一番の食べ時の商品が一番安いのだからこたえられないのである。 まあ、そこまでいくと極端だが、獲れ過ぎでとんでもない安値の生秋刀魚が並んでいるなら、メモ通り解凍カジキを買うのよしたらよかろうという程度の話である。メニューを決め、記載通りに調達するのではなく、臨機応変に食材を適宜調達できる能力を身につけるべきではないかということ。 その観点では、「無駄遣い厳禁」も問題。無駄を推奨するつもりはないが、店内をふらついて、魅力的な食材が見つかったら、それを購入して調理してみない限り応用能力が身につく訳がないと思うだけのこと。好奇心が湧いたら、失敗覚悟で面白い食材を入手する活動こそ、お勧め。余計なものを買ったり、代替品を試したり、色々試してみたらよかろう。 要するに、知恵を発揮できるチャンスは調達にあるのだ。そもそも、人のレシピを見て、真似するだけの食事を続けて、嬉しいものか考えてみたらよかろう。 ただ、この場合、確実に調達しなければならない常備食材と、それ以外を明確に峻別しておく必要がある。常備品については、どう調達するか、予め明確に決めておいた方がよい。 と言うか、調べた訳ではないが、惣菜のようなバラエティ品を除外しても、調達の対象になる食材の種類は500種類を下ることはなからだ。常備品を決めておかないと、とても管理できるようなレベルではない。 常備品と言っても感覚が湧かないかもしれないが、例えば、以下のようなものが該当する。 ・水 ・茶葉 ・穀物類 ・ベース野菜 ・乳製品・卵 ・大豆調理品(納豆、豆腐、油揚/生揚) ・上記を勘案した調味料類 野菜・果物、肉・魚、等は、臨機応変に様々なものを購入すればよいだけのこと。 と言うことで、今回はここまで。 最後に、上記の常備品について、一部だが、拙宅の場合どうなっているかまとめてみた。ご参考まで。 ■■ 水と茶 ■■ 水をお忘れの方が多い。調理技術が優れていたところで、不味い水では力の発揮しようもないのは当たり前。しかし、選択肢は狭いから、考えない人が多いようだ。ちなみに、拙宅に配水されている水道水の質はそれほど悪くなさそうなので、今のところは、浄水ポットを利用している。従って、定期的に濾過材を替える必要がある。今、この文章を書いている場所は東京ではないから、水道水は美味しい。もちろん軟水。湯冷ましミネラルウオーターより質は上だと思う。 お茶は、食事の際には必ず飲みたい。毎日続ければ、カフェインの覚醒効果と、含まれている生理活性物質が好影響を与える可能性もあるし。嗜好品だから好き好きだが、どんなお茶にするかは、よくよく考えた方がよいと思う。 ■■ 穀物類 ■■ 一年を通じて、主食をどうするかという意思決定なくしては、方針が決まらない。拙宅では、米と小麦の比率が2対1程度。これにあわせた、穀物の適正在庫が必要となる。これに該当しない食材(蕎麦、トウモロコシ/ジャガイモ系、豆類)は場当たり的な購入である。 【米】 ・無洗米処理した胚芽米[2Kgパック品](不消化な玄米は食べない。) -切らさないが大量保管はしない。(精米後は劣化しやすいため。) -パックした胚芽米の場合、銘柄選択余地はほとんどない。 -玄米保管で精米機処理が魅力的だが機械が邪魔なので購入計画なし。 ・拙宅では使用頻度は低いが糯米精米を少量保管している。 -御強を沢山作って冷凍する手もあるが、避けている。 -餅つき機を所有していないので、大量保管する気はない。 ・米粉[餅粉]は気が向いた時に、団子や即席餅モドキをすぐに作れるように、少量保管している。 → 「搗き立て餅づくしを味わおう 」 (2008年4月16日) ・冷凍保存餅+[切り餅パック] -たまに、餅を食べようと思う時があるので、それに対応できる在庫を持っている。 (お汁粉を食べたい人がいたりするときすぐに使える。) ・冷凍御飯は余りもの。 ・ビーフンは時々忘れるが、1袋在庫としている。 【小麦】 ・パン/ホットケーキ用の調整粉 ・お好み焼き用の調整粉 ・乾饂飩/素麺 ・乾パスタ類/クスクス(デュラム小麦) ・冷凍保存イギリスパン[余りもの] ・主食にしない小麦粉(強力粉、薄力粉) ■■ 常備する野菜 ■■ 持ちがよい3品に限定したらどうか。新鮮なものにこだわる必要はないと思う。 保管方法を間違えなければ、そう頻繁に購入する必要はない。従って、調達ルートは場当たり的でも。 【ニンジン】 ・洗ったものを購入し、水気をよくふき取って、紙に包んで冷蔵庫の野菜ボックス。 (葉を食べないなら、葉付きは買わないこと。栄養を葉にとられるだけ。) ・水気があると腐ったりする。乾燥してシワシワになっていても使える。 【ジャガイモ】 ・比較的風通しのよいところに、光を通さない紙で、軽く包んで放置する。 (皮が緑色なのは、光が当たった証拠。当然ながら不良品。) ・つるりとしたメイクイーン(煮物向)と凸凹の男爵(非煮物向)の両方を購入。 ・「新ジャガ」は別もの。(マッシュポテトに向かない。) 【タマネギ】 ・日陰の風通しのよいところに放置。 ・「新玉葱」は別扱い。(乾燥していないから保存は無理。) --- 参照 --- (冷蔵庫のイラスト) (C) 3D+WEB MIX http://webweb.s92.xrea.com/ 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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