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2008.10.8
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即席スープモドキのご紹介…


 少量の加熱調理には雪平鍋は重宝する。この名前の由来はなんなのだろう。
 ただ、蓋がないのが玉に瑕。

 スープの学び方について、私見を述べてみた。
  → 「仏蘭西で完成されたスープの技を学ぶ 」 (2008年10月1日)
 まあ、これは、あくまでもフレンチに敬意を払った学び方。暇がないとできない。そこで、逆の状態の時の、スープモドキ料理の話もしておこう。これをご紹介しておかないと、どうもバランスが悪すぎるからだ。

 実際、誰しも、多忙の時があるもの。そんな時は、弁当を購入して家で食べることもあろう。弁当と言っても、それこそ、デパートで販売している料亭製から、弁当屋の詰めたて品や、コンビニのよく考えられた安価なセットまで、様々であり選択肢は結構広い。しかし、どれだけ素晴らしいものを購入しようが、バタバタしており精神的な余裕がなく、食欲も無いと美味しくないものである。
 そのため、たいして手をつけれなかったりする。市販品は自分なりの味付けと違うから、疲れていると、体が受け付けないのだろう。
 そんな経験があると、どうせたいして食べれないから、なんでもよかろうという態度で弁当を選んだりする。これが、さらなる食欲減退を引き起こす。悪循環。

 そんな場合は、惣菜を買ってきて、スープモドキを仕立てることをお勧めしたい。弁当に比べれば、ほんの一寸だけ手間はかかるが、すぐにできあがる。調理作業が気分転換にもなるし。
 この料理のポイントは、「いかにもスープ」と言う雰囲気を出すこと。スープなら、余り食欲がなくても、自分の口に合う味付けにさえすれば、それなりに食べれるという点にかけているのである。

〜用いる市販惣菜〜
鶏肉調理品 焼き鳥
チキン唐揚
手羽照り焼き
豚肉系飲茶 焼餃子
魚すり身加工品 つみれ
薩摩揚
 購入する惣菜は、デパート、スーパー、コンビニ、のどこだろうがかまわないが、商品の回転がよさそうなものにすること。これなら当たり外れは少ない。
 もちろん、調味がキツイものや餡かけ惣菜は味の調整ができないから、駄目。牛・豚肉炒め類は、非蛋白質素材の主張があり向かない。ソーセージ類を用いたポトフ風は、短時間では美味しくないので対象から外そう。焼き魚の和風スープもできないことはないが、エキス分や油脂が少なすぎる。しかも、素材の質がバラツクから、避けた方がよいだろう。
 そうなると、鶏肉調理品3品、豚肉系飲茶1品、魚すり身加工品2品の計6品が候補か。まあ、趣旨をお考えの上、ご自分で創作されたらよかろう。

 と言うことで、どんな料理かわからないだろうから、簡単にご紹介しておこう。

■■ 焼き鳥スープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・串で焼いた、腿、胸、砂肝、レバーを用いる。
  ・例えば、すべて1串づつ。単品はお勧めしない。
  ・ササミやつくねは避ける。
 【一緒に入れる具】
  ・茎がある葉野菜1種類のみを使う。(できれば、芹。無ければ、水菜、三つ葉、等。)
  ・食べ易い長さに切る。(手で千切ってもよい。)
 【出汁】
  ・出汁の素は入れない方がよい。
 【調理手順】
  (1) 鍋に酒を少し撒き弱火で加熱。
  (2) 鍋が暖かくなったら、串をとった焼き鳥を並べる。
  (3) すぐに、その上に緑野菜の茎と葉を乗せ蓋をする。
  (4) 野菜がしんなりしたら、適当量の水を加え、強火で加熱。
  (5) 沸騰したら、酒(あるいは味醂)と醤油で味付けし、火を止める。(煮込まない)

■■ チキン唐揚スープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・腿、胸の唐揚を包丁で2つに切る。
 【一緒に入れる具】
  ・広葉の癖のない青菜1種類のみを使う。(小松菜、青梗菜、が向く。)
  ・食べ易い長さに切る。(手で千切ってもよい。)
 【出汁】
  ・ガラ出汁の素を極く少量入れた方がよい。
 【調理手順】
  (1) 水を煮立て、ガラ出汁の素をよく溶かす。(塩味が強いから分量には注意のこと。)
  (2) チキン唐揚と野菜を入れ、一煮して火を止める。

■■ 手羽照り焼きスープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・手羽先は骨が多いが、気にならないなら、それがお勧め。
  ・スパイシーなものは、好きならよいが、そうでないと味付けが難しい。
 【一緒に入れる具】
  ・ボウル状葉野菜1種類のみを使う。(レタスが向く。キャベツは避ける。)
  ・食べ易い大きさに手で千切る。
 【出汁】
  ・鶏系ブイヨンの素を使うとよい。
 【調理手順】
  (1) 水を煮立て、少量の鶏系ブイヨンの素をよく溶かす。
  (2) 手羽照り焼きとレタスを入れる。
  (3) スパイシーなものが好きなら、チキン味付けと同類の香辛料を加え一煮して火を止める。

■■ 焼餃子スープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・焼餃子に限る。(蒸したり、茹でたタイプは該当しない。)
  ・豚肉系飲茶としては焼売があるが、味が色々で、軟いものもあるので避ける。
 【一緒に入れる具】
  ・ザク切り白菜が望ましい。
  ・薬味として、長葱は不可欠。
 【出汁】
  ・中華風出汁の素を使う。
 【調理手順】
  (1) 中華風出汁の素を溶かして沸騰させ、野菜を入れる。
  (2) 煮えたところで、酒と醤油で味を調える。
  (3) 焼餃子を入れ熱が通ったところで火を止め、薬味を散らす。

■■ つみれスープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・鰯すり身のつみれが望ましい。
 【一緒に入れる具】
  ・モヤシのみを使う。(十分に洗ってから使うこと。)
  ・緑野菜は美味しさが消えるので絶対に入れない。
  ・但し、香菜の茎や万能葱は例外。食べ易い長さに切って入れるとよい。
 【出汁】
  ・ナンプラー。
 【調理手順】
  (1) つみれと水を鍋に入れ加熱する。
  (2) 沸騰したら、野菜を入れる。
  (3) ナンプラーで味付けしたら、火を止め、レモンの絞り汁を加える。
     (あれば、香菜の葉を散らす。)

■■ 薩摩揚スープモドキ ■■
 【対象の調理品】
  ・薩摩揚は白身魚だけのすり身だけ単純なものが望ましい。
 【一緒に入れる具】
  ・すぐ火が通る筋が無い茸。(小振りのシメジ類、マイタケが向く。椎茸/エリンギ/エノキは避ける。)
  ・葉野菜は入れない。
 【出汁】
  ・和風の出汁の素を十分入れる。
 【調理手順】
  (1) 出汁の素を入れた水に薩摩揚を入れ煮立たせる。(油抜きは不要。)
  (2) 茸を入れさらに煮る。
  (3) 醤油で味付けし、火を止める。

 --- 参照 ---
(雪平鍋のイラスト) (C) Hitoshi Nomura NOM's FOODS iLLUSTRATED http://homepage1.nifty.com/NOM/


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