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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2009.3.25 |
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“自己流”簡易薩摩料理…春なのに、寒かったりする。 そんな時、薩摩汁は有難い。 薩摩だから、芋を入れたがる人もいるが、邪道ではないか。 黒豚も止めた方がよい。それでは豚汁になってしまうからだ。 本来は軍鶏と根菜なのでは。 そして、ポイントは、味付け。甘い麦味噌を使う。 健康メニューということで、芋御飯をお勧めした。薩摩芋の場合は、秋の収穫時期に賞味するのが最高だが、まあ好きな時に食べてもよかろう。 → 「健康が気になったら試す食事 」 (2009年3月18日) ただ、折角食べるなら、薩摩料理で愉しむのも一案。 と言っても、小生は鹿児島に遊びに行ったことはないので知識はほとんどない。鹿児島料理の経験はあると言っても、東京のお店が出してきたものを食べたにすぎない。格段に味が違う訳ではなかったから、名前だけの代物と見た。要するに、キビナゴ、炙り鰹、黒豚、地鶏が使われているに過ぎない。それでも、自家製か直送の本場薩摩揚げと、ご当地焼酎は出てくるが。だが、両者ともに、珍しいものという感じはしない。 こんな料理が出てくるのは、薩摩らしさを打ち出しすぎると、お客さんが限られるからかも。 それなら、家庭での、“自己流”薩摩料理も面白いのでは。 と言うことで、自宅での楽しみ方を考えてみた。 先ずは、お酒選びから。 当然ながら、【芋焼酎】だ。学生時代、余りに強い臭みで耐え難かった覚えがあるが、今のものは結構呑める。純粋の高アルコール濃度モノなら生だろうが、一般には、単なるお湯割り。ただ、作り方にマナーがあるらしく、湯に焼酎を注ぐのだとか。正式には遅くとも前日に割り水して、「黒ヂョカ」に入れておき、飲む直前に火にかけて、日本酒のヌル燗程度に暖める。そして、「チョク」で香りを楽しむという。 拙宅には、その原型と思われる琉球の「カラカラ」しかないので、それでお湯割りにするしかない。酒はこだわりの酒器でというのが、日本の文化でもあるから、一寸残念ではあるが致し方ない。 もっとも、暖めると、芋の香りが強調されるので、コレが苦手な人にはつらいものがある。 焼酎の銘柄だが、好きな銘柄を試されたら面白かろう。(1)なかには、有名ブランド化して、入手困難モノもあるが、そんなものを探すよりは、“並”で美味しいものを探す方をお勧めしたい。 さて、ツマミだが、小粒ピーナッツにピリ辛の醤油をかぶせた【珍々豆】(2)がベスト。アンテナショップに行かないと売っていないから簡単に入手できないが、一度試してみることをお勧めしたい。 これだけでは名前が珍しい豆菓子と思ってしまうかも知れぬが、ポイントは鹿児島の醤油を使っている点。・・・薩摩地域の醤油は甘口なのだ。なにせ、地元の醤油屋さんの製品を見ると、黒砂糖入り醤油さえある。東京の塩分濃き醤油とは似ても似つかぬ代物。(3)菓子なら甘くてもよいが、これを料理にも使うのだから、相当な甘党だ。 従って、この豆菓子は、薩摩味覚入門にはうってつけ。 豆だけではご不満だろうから、肴として、【きびなごの丸干】をお勧めしたい。箱モノでも、たいした量ではないし、結構廉価だ。これを、さっと炙って頭から尾まですべていただく。 焼網を洗うのが面倒な人は、フライパンで火を通すとよい。蓋を忘れないこと。このご注意でおわかりだと思うが、トースターやオーブンは止めた方がよい。後々まで臭く、文句タラタラでえらい目にあうこと必定。 ツマミだけでは、食事にならないから、献立らしきものも作っておこう。 先ずは、ご飯だが、薩摩芋を米といっしょに炊き上げるだけの【唐芋飯】(4)。できれば、芋は“紅さつま”か“かいもん紫”にしたい。後者は紫芋だから、特別に“開聞飯”と呼べるのかも。 これに、大根塩漬の【山川漬(5)[壺漬]】。この漬物は本物を購入するしかない。と言うのは、塩しか使っていないにもかかわらず、沢庵漬と違い、かなりの甘みがあるものだからである。甘味好きなことが、ここでもよくわかる。 普通に市販されている壺漬は褐色だが、黒色のものもある。色のアクセントによいかも。 汁とおかずは、【薩摩汁】と【つけ揚げ(つっきゃげ)[薩摩揚げ]】(6)でどうか。 薩摩汁の実は、骨付き若鶏のぶつ切り、大根、人参、ゴボウ、葱。これ以上に、余計なものは入れない。 薩摩揚げだが、新鮮な小魚で作ると確かに美味しいが、漁港のそばでなければそんな魚は滅多に手に入らないから、とりあえずは、練り物販売コーナーから好きなものを購入することで我慢しよう。ご想像がつくと思うが、本場ものは、少々甘め。 支配先だった琉球の「チキアギ」が伝わっものというから、(7)サトウキビ味が好まれたのかも。 品数が寂しい感じがするから、酢の物もつけておこうか。 苦味が気にならないなら、【ニガゴイ(ゴーヤー)のお浸し】がよかろう。ゴーヤーをさっと茹で、鰹節をかけてポン酢。薩摩の黒酢なら、もっと感じがでるのかも。 あるいは、【といもがら(ズイキ[ハスイモの葉柄])(8)の膾】も緑色が美しく、なかなかのもの。夏が旬だが、どういう訳か、時期外れでも店に登場することがある。 後は、デザートだ。 鹿児島銘菓の【軽羹饅頭】(9)と緑茶という手がオーソドックスだが、ここは流行りモノにしてみたらどうだろう。 練乳かけのかき氷にフルーツをトッピングした【氷白熊】のこと。(10)最近は、スーパーやコンビニでも扱っているから入手し易いし。これを食べれば、甘いもの好きの鹿児島人らしさが実感できる筈。 薩摩切子に盛ると尚一層引き立つだろう。 --- 参照 --- (1) 鹿児島の「本格焼酎蔵元・卸売り業者」 焼酎台帳 http://www.shimadzu-ltd.jp/syoutyu/top.htm 。 (2) 大阪屋製菓「南国珍々豆」 http://www.chinchinmame.jp/shouhin/00chin2.html (3) ヒシク http://www.hishiku.co.jp/shoyu.html キンコー醤油 http://www.kinkoshoyu.co.jp/contents/syouyu/syouyu.html (4) 「からいもご飯」鹿児島県食生活改善推進員連絡協議会発行「郷土の味」 http://www.pref.kagoshima.jp/sangyo-rodo/nogyo/syokuiku/kyodoryori/autumn/karaimogohan.html (5) かごしまの郷土料理・特産品「山川漬」 指宿市商工観光課 http://www3.pref.kagoshima.jp/kankou/kyoudo/shosai/84/ (6) 「鹿児島県 さつま揚げ(つけあげ)と薩摩汁」 外食産業総合調査研究センター http://www.gaishokusoken.jp/pages/index.cfm/column_food16_kagoshima02 (7) 「さつま揚げのおはなし」 勘場蒲鉾店 http://www.kanba.co.jp/contents1.html (8) 「といもがら」 かごしま“じもの図鑑” http://www.pref.kagoshima.jp/sangyo-rodo/nogyo/nosanbutu/zimono/toimogara.html (9) 「軽羹とは」 明石屋 http://www.akashiya.co.jp/karukan100/index.html (10) 「南国白くま」 セイカ食品 http://www.seikafoods.jp/shirokuma.htm 「氷白熊」 天文館むじゃき http://www.mujyaki.co.jp/ (地図) http://www.abysse.co.jp/japan/index.html 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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