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オジサンのための料理講座 ←イラスト (C) SweetRoom 2010.5.25 |
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“大陸的”チャーハンを作ってみようか。…著名的炒飯: 揚州炒飯、福建炒飯、西炒飯、瑤柱蛋白炒飯、鹹魚鶏粒炒飯、鴛鴦炒飯、廣州炒飯、香港炒飯炒飯とは、惣菜の余りものと、冷えたご飯を油で炒めた料理。家庭料理の名称としては“焼飯”が当を得ている。 具としては、中国でも蛋を使うことが多いようだ。日本の定番も卵とハムと葱の微塵切りといったところ。味付けは中華料理店では、塩・胡椒入りの鶏出汁の素を使うようだが、家庭では様々。ただ、醤油を入れる人が多いと聞いたことがある。 ただ、決め手は味付けではないと言われている。中華料理のプロの作品は、素人とは全く違うもので、火加減が大切とか。 プロの料理だと、ご飯粒の表面が卵の皮膜で覆われ、ベトベト感が無いという。しかも、卵が、小さな塊となって分散しているにもかかわらず、固くなっていない点も重要とされている。まあ確かにそうなのかも知れぬが、そんなことにこだわるのは、日本独特の可能性もなきにしもあらず。ラーメンや餃子と同様に、炒飯も中華風和食と見た方がよいかも。 → 「和食の不可思議さ」 (2009.10.1) それでは、中華的な炒飯とはどんなものかとなる。 と言っても、様々なものがありそうで、素人が指摘できるとは思えない。とりあえず、以下の方針で作ってみたらどうだろうか。 【卵を入れない。】 卵の単純な味を避ける。 【入れる具の種類を多くする。】 できるだけ様々な具を入れる。 【胡椒と隠し醤油味のさっぱり感を前面に出さない。】 混合された香りにする。 【ご飯に“湯”味をつける。】 ご飯のなかに味を染み込ませる。 【青葱を入れない。】 単調な味を葱の刺激で食べる方式はとらない。 なにを目指しているか、お分かりだろうか。わざわざ日本料理が嫌うやり方を入れたということ。 ・和風的なサッパリ感をすべて消し去る。 ・下品な大衆料理とされかねない、混ぜこぜ味にする。 ・白飯にしっかりと味をつける。 具体的には、こんなところでどうか。題して海鮮炒飯。 【1】 香ばしさを出すために、3種の微塵切りを炒める。青葱は使わない。注意する点としては、焦げないことだけ。量は少なくてかまわない。 ・玉葱 ・大蒜 ・生姜 【2】 火が通ったら、味の旨みを出すために、豚肉の微塵切りを加えて炒めよう。味の深みを出すためで肉を食べる訳ではないから、余りもののベーコンや焼豚を少々使う程度でかまわない。 【3】 火が通ったら、葉野菜の微塵切りを加えてさらに炒める。灰汁を感じない葉野菜ならなんでもよいが、柔らかすぎるものは不適。1種類でかまわない。要するに、葉野菜の余りモノ。 ・キャベツ(固い茎部分は取った方がよい) ・レタス(手で千切ること) ・白菜 ・青梗菜、等々 【4】 さらに、具を入れて炒める。冷凍の海鮮ミックスを解凍したものはどうか。烏賊や海老が大きすぎるものが多いので、細かく刻むこと。 もちろん、余りモノ海鮮があれば、それで十分である。 【5】 海鮮はさっと炒めるだけ。そこに、少量の“湯”を注ごう。ガラスープの素をお湯で溶かしたものでよい。入れたら、弱火に。海鮮なので、ここで「焼バラ」(バラバラの乾燥海苔に火を通したもの)的なものを入れるとよい。尚、若布・昆布・ヒジキは食感上お勧めしない。味を見て、塩を加える。胡椒、辣油や胡麻油味がどうしても欲しいなら加える。醤油や味噌を入れないこと。 【6】 “湯”が沸騰したら、ご飯を加え水分が無くなるまで煮込む。かきまぜるとご飯粒がつぶれかねないので静かにした方がよい。もちろん弱火は鉄則。 【7】 水分が無くなったら、一気に火を強めて混ぜながら炒める。この際に葱以外の、好みの微塵切り香味緑野菜を加える。 尚、コレ、羊肉のオジヤなどを出すことがある、本場の料理人がいる山東料理店のランチメニューの真似である。北京辺りの料理だと思うが、宮廷料理系ではないという以上の知識はないので、特徴を伝えることはできないが、よくでてくる中華料理とは相当違うことだけは確か。前菜で言えば、辣か油を感じるものが多いといったところか。と言って、すべてそういった味付けというものでもない。 好みのお店だが、山東料理に興味があって行くようになった訳ではないし、炒飯を注文したこともない。お昼に入ったらセットで出てきたから食べたに過ぎない。そこで、大陸の食とはこういうものかもと感じ入った次第。 油炒めとか、焼き飯という風情は全く感じられないし、見かけは高菜や雑魚を入れた和風チャーハンに似ているが、ご飯にしっかり味がついている。似て非なるモノといってよいだろう。おそらく、この手の食に慣れた人だと、日本の卵とハムのチャーハンはお子様風食べ物とされるだろう。ともかく、味がえらく複雑なのである。 あと気になったのは、北京辺りの料理だろうに、海鮮メニューである点。日本だから工夫してみたのかも知れぬが。本来は乾燥海鮮品か。 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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