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2001.8.4 |
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このままならずっとGDPゼロ成長(5)…「設備」、「働く人の数」、「技術革新」の3つのファクターを見ると、良くて、どうやらプラス成長ということではなかろうか。価値を生み出す側から見るとこのように期待薄だが、需要側はどうなのかを点検してみよう。 まずは民需だ。個人消費、住宅投資、民間設備投資の3本柱はどうなるのだろうか。 個人消費は収入と消費性向の掛け算である。 ほとんどの産業で、収入減と雇用喪失が予想される。人員過剰なのだから致し方あるまい。雇用吸収を期待されるサービス産業は収入レベルが低いものがほとんどだ。従って、収入減は間違いなかろう。 消費も80年代にほぼ買いたいものは一巡したのではないか。買い替え需要が主だから、アップダウンはあるがほぼ一定になってきたように思える。贅沢への欲求が高まらない限り、今の製品・サービスが続く限り消費が増える理由は考えにくい。しかも、将来に対する不安感は益々高まる。これは政治への信頼感やマインドの問題ではない。名目利子率ゼロという緊急対策を常態化する限り当然だ。「異常」が続く限り、不安感払拭などできる訳がない。 住宅投資だが、質を別にすれば数はすでに需要を凌駕している。着工件数が減る可能性はあるが、増える理由は見つけにくい。ムード的な購入はあるだろうが、就業構造の変化がおきるのでなければ、一過性現象だろう。しかも、住宅着工のインセンティブを場当たり的に行って来たから、着工需要は相当「前倒し」されている可能性が高い。将来の需要で経済刺激を行っているのだから、この先の需要減退は確実だろう。 民間設備投資はすでに述べた。しかも、企業系列やグループを壊す動きがおきているから、昔のように、下請層企業が親企業の競争のために早目に設備投資をせざるを得ないというパターンが消えている。設備需要は基本的に冷え込む。 官需に至っては、もうドン詰まりである。地方財政は破綻しており、国の予算の消化さえできない状態がついに露見してきた。国の刺激策さえ、地方が出費できないから、満足に動かない。 国も惨憺たる状況だ。2000年の郵便貯金の満期増も重なり、今や財政投融資さえ資金難である。 無い袖は振れない。官需は着実に減っている。これでは、景気刺激どころではない。「構造改革」などと叫ぶ前から、景気を抑える方向しかとれないのが実情だ。 このように需要を直視すれば、GDP成長のプラス要素などどこにも見つからない。 「このままならずっとGDPゼロ成長(6)…」へ 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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