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2002.11.8
 
 


貯留熱水層発電の見込み…

 稼動中の地熱発電所の報告は、将来薔薇色のトーンで満たされている。(http://www.tohoku.meti.go.jp/geo/)

 本当だろうか。

 発電所そのものの技術的な難易度は低い。コンポーネント3つが揃えばよいだけである。
  ・涌出熱水の熱をタービン運転用液体に移す装置
  ・中温度熱水(60℃〜220℃)発電用スクリュータービン
  ・熱水源所有者が使い易い運転制御システム

 従って、小規模地熱発電の仕組みは、ほぼ完成域といってよい。あとは運営上の問題だけだ。
  ・低コストな長期運転支援体制が確立していない。
  ・析出(硫黄)分が多いので維持費用がかかる。
 この程度なら、施設数を増やし、総合的な運営の仕組みを作れば解決できる。

 従って、経営的に成立する可能性がある発電といえよう。

 しかし、社会状況を考えると一変する。発電量に比し建設前の費用が膨大で、どうみても事業どころではないからだ。

 地熱発電事業向け好適地とは温泉にほかならない。そうでない場所での好適地発見は大仕事だ。探索費用だけでも相当な負担になる。
 その上、地元説得の交渉費用がかかる。しかも、地域住民はクリーンと考えるとは限らない。(例 http://chubu.yomiuri.co.jp/conhp/fog020620pt.html)

 発電量を考えれば、経済性を度外視してまで作る意味があるとは思えない。 

   過去記載の
   → 「地熱発電技術開発にかけるべきか?」へ
 (20021106)


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