表紙 目次 | ■ 分類の考え方 2014.10.23 ■ 猪家の系図 猪家の系図を作ってみたくなった。アフリカの猪、"Red river hog"の性格が気になったので。 → 上野動物園に 陸君に会いに行く. 偶蹄目という概念は今や意味無しの時代であり、近縁を並べると以下のような系図か。 ┌┬[絶滅-北米]原始系駱駝 @2,500万年前〜 │├[南米]ラマ/アルパカ類 @1,000万年前〜 │└[ユーラシア]フタコブ/ヒトコブラクダ @800万年前〜 ┤ ├┬[絶滅]原始系猪 @4,000万年前〜 │├[米州大陸]ペッカリー @1,000万年前〜 ││┌[絶滅-アフリカ]猪豚類似動物 │└┤┌アフリカ系猪 │┼└┤ │┼┼└ユーラシア系猪/豚+バビルサ │ └─真反芻系動物とその縁者(河馬と鯨) イノシシとは、泥棲の雑食生活を信条として生き抜いてきた種族のようだ。他の動物は、普通は食餌パターンによる種の棲み分け方向に進むものだが、それを避け、棲息域を広げ柔軟に対処してきた種が残っているように見える。 ユーラシアに広がる一般的な野生のイノシシと家畜の豚は、見かけは異なっている種が沢山あるようだが、生殖可能だからすべてが同じ種と見なせる。ヒトと同じで、近縁の種は次々と消え失せて世界に広がっている訳だ。 思うに、雑食動物のなかでも、挑戦的というか、好奇心旺盛で群れ好きな点が、繁栄を実現したということでは。 棲場所を変えるのも吝かではないということは、新しい食生活に始終取り組んでいることでもあろう。雑食動物だと、その対象は極めて広いから、それは「学び」の活動そのものでもある。当然ながら、その知見を家族や仲間に伝える能力が高くなければ、種の発展は望めない。従って、ここまで繁栄しているということは、知的水準が高い動物と考えるべきだろう。ヒトとよく似ていると言えなくもなかろう。 猿、類人猿、原人と、仲良しを目指したのも、食生活を考えると極く自然な流れのように映る。 ヒトが家畜化を図って豚が生まれたことになっているが、もともとイノシシは半家畜でもあったのかも知れぬ。 小生が一番気になるのは、アフリカのイノシシ。どうして、家畜化へと進まなかったのかということ。ブッシュマンとかホッテントットの生活話を耳にしたことがあるが、基本的に家畜を持たない主義のようだ。しかし、アカカワ猪君など、体躯は小振りだし、アジアのコビト猪のように野生に拘る風情もなさそうで、いかにも家畜化できそうな感じがする。 森の動物は疾病上危険ということなのだろうか。サハラ以南の人々は、もともと植物栽培も嫌っていたようにも映るから、もしかすると、湿地を避けた生活をしないと蚊にやられ一族絶滅の可能性ありということかも知れない。 もっとも、北米のインディアンもペッカリーの家畜化をしようとはせずだし。もっともバイソンの家畜化もしなかった訳で、宗教的なものかも知れぬが。 ┌原始系 │[絶滅-ユーラシア] ↑ Entelodon @4,000万年前〜 ・・・2.3m長 │ "complete dentition" │[絶滅-北米/ユーラシア]Archaeotherium @3,500万年前〜 ・・・2.5m長 │[絶滅-北米]Daeodon or Dinohyus @2,400万年前〜 ・・・3m長 │[絶滅-アジア南端海岸部半水棲]Indohyus @4,800万年前〜 ・・・0.6m長 ┤ │┼見かけ猪似体躯 │┌【米州大陸】ペッカリー[臍猪]/Peccaryの仲間 ││・[絶滅]Platygonus @1,000万年前〜・・・平頭骨 群棲か ││・<熱帯林 種食中心>口白/White-lipped・・・排他的大集団群棲 ││ <全ての気候帯>首輪/Collared・・・ヒト域親和性 ││・グランチャコ地域種/Chacoan └┤ ┼│┌─【アフリカ】 ┼││ ・[絶滅]Kubanochoerus・・・有角 2m長体躯(長足1.2m高) ┼││ ・[絶滅]Cainochoerus類 @1,200万年前〜 ┼││ ・[絶滅]Hyotherium類 @2,000万年前〜 ┼└┤ ┼┼│┌[絶滅]Hippohyus類 ┼┼└┤ ┼┼┼├【アフリカ】 ┼┼┼│ ・[絶滅]Kolpochoerus ┼┼┼│ ・「熱帯森湿帯棲」森猪/giant forest hog ┼┼┼│ ・「熱帯森辺縁河域棲」赤河猪/red river hog,河猪/bushpig ┼┼┼├【アフリカサバンナ】・・・牙と突き出た犬歯(食肉類対策:集団防衛) ┼┼┼│ ・疣猪/desert warthog ┼┼┼│ ・[絶滅]Metridiochoerus/giant warthog ┼┼┼│ ┼┼┼│河馬的口構造の鹿豚体躯 ┼┼┼├【スラウェシ熱帯雨林】バビルサ/Babirusa ┼┼┼│ ┼┼┼│猪豚体躯 ┼┼┼├【ヒマラヤ山麓湿地帯】小人猪/pygmy hog・・・狭域孤立小型化 ┼┼┼└【ユーラシア】猪&豚/Eurasian Wild Pig (or boar/wild swine) ┼┼┼┼ <全域[16地域亜種]> ┼┼┼┼ 日本猪,琉球猪,・・・ ┼┼┼┼ Burmese,Hindi,Sinhalese,Persian,Arabic,Turkish ┼┼┼┼ Greek,French,Italian,Piedmontese,Greek ┼┼┼┼ <東南アジア島嶼種> ┼┼┼┼ パラワン(髭),ボルネオ(髭) ┼┼┼┼ セレベス,フローレス,・・・ ┼┼┼┼ フィリピン諸島(疣),ジャワ(疣) ┼┼┼┼ <家畜各種> ┼┼┼┼ 元使役豚(e.g.イベリコ)・・・土掘[開墾],臭気探索 ┼┼┼┼ 欧州塩漬肉用豚(e.g.ランドレース)・・・巨大後足腿 ┼┼┼┼ 欧州精肉用豚(e.g.ヨークシャー)・・・ストレート体躯腿 ┼┼┼┼ アジア祭用豚(e.g.小耳種)・・・小型 ┼┼┼┼ 中華脂用豚(e.g.梅山豚)・・・皮下脂肪 (C) 2014 RandDManagement.com |