表紙 目次 | ■ 分類の考え方 2015.10.18 ■ 頭デッカチ形齧歯類について 齧歯類に関する分類話の続き。[→] 先のリス・ネズミハンドブックによると、哺乳類として5,416種が認定されているうち、リス・ネズミ類は2,277種とか。次いで種類が多いのがコウモリ類で約980種らしい。鼠的な姿をしている生物の棲み分けご発展ぶりは凄まじいものがある。 歴史が短いホモ属やチンパンジー属 など、全く棲み分けができず、現生は1種のみであり好対照。オランウータンでどうやら2種だが、スマトラ島とボルネオ島での孤立種であり先行きは暗い。 お蔭で、齧歯類の名前はグループ化してもらっでも余りに多すぎ。部外者にはとても覚えられそうにない。・・・Rat, Mouse, Muskrat, Hedgehog, Dormous, Vole, Lemming, Gerbil, Beaver, Hamster, Shrew, Mole, Desman,Squirrels, Chipmunk, Mole Rat, etc. ただ、漢字にすると、どんな特徴の種かなんとなく想像がつくので部外者には有り難い極み。・・・家,山,畑,葦,谷地,川,水,荒地,地,砂,旅,栗,掘,尖,棘,針,絹毛,出歯,臭,麝香, 等々.もっとも、カタカナ表記に統一されており、それが可能なのもいつまで続くことやら。 ともあれ、余りに多岐に渡るので、全体像がさっぱり見えない。実に、素人泣かせの領域である。 取り上げたハンドブックにしても、国内で使える体裁に整えられており、齧歯類の世界がどうなっているのかは全くわからず。 それに、2,277種も存在するというのに、国内棲が僅か26種で、人為的渡来が5種の、計31種しか発見されていないというのだ。世界のなかで、どんな感じになっているのか知りたいところだが、調べようとすると、これが結構ホネ。 すぐにわかるのは、山嵐形齧歯類が日本には全く棲んでいないこと位。 まあ、眺めて見れば、どれを見ても、ソリャ渡来どころではなかろうという種だらけ。でも、結構知られている種も少なくない。 アフリカの砂漠岩場地域棲息者 ・・・モンスーン地域には来ない。 アフリカの土中トンネル生活者 ・・・そう簡単に移住できまい。 新世界(南/北アメリカ)での棲息者 ・・・地理学的障壁の問題である。 もっとも、旧世界の山嵐だけは、広域化している。アフリカ〜中近東〜インド〜ヒマラヤ〜東南アジア(島嶼含む)。そこここの地域環境に合わせ柔軟に進化してきたのは間違いないが、北進だけは限度があるようだ。マラリア発生域と重なるようから、高温多湿な日本はとても無理ということだろう。乾燥地域の夜は冷涼化する場所で生きてきた種としては、流石にそこまではご免被るとなろう。 ┼<齧歯類(単歯類)> ┼┌鼠形齧歯類 ┼├栗鼠形齧歯類 ┼┤ ┼└山嵐形齧歯類 ┼┼│ ┼┼│┌─<グンディ群> ┼┼││┼┼┼├グンディ/Gundy@アフリカ-砂漠地帯岩場 ┼┼││┼┼┼│ ・・・乾燥高温地での長距離移動可能 ┼┼││┼┼┼└ラオス岩鼠/Laotian rock rat ┼┼└┤ ┼┼┼│┌─【旧世界系】 ┼┼┼││┼┼├山嵐/"Old World" Porcupine@地上生活 ┼┼┼││┼┼└[フィオミス型] ┼┼┼││┼┼┼アフリカ岩鼠/Dassie rat.アフリカ葦鼠/Cane rats┼ ┼┼┼││┼┼┼出歯鼠/Blesmol@地中生活┼ ┼┼┼││ ┼┼┼└┤<真正山嵐群> ┼┼┼┼│ ┼┼┼┼└─【新世界系】 ┼┼┼┼┼┼┼├アメリカ山嵐/"New World" Porcupine@樹上生活 ┼┼┼┼┼┼┼├[天竺鼠系] ┼┼┼┼┼┼┼│モルモット/Guinea pig,マーラ/Mara,クイ/Cui,モコ/Mocó ┼┼┼┼┼┼┼│カピバラ/Capybara,アグーチ/Agouti ┼┼┼┼┼┼┼│パカ/Paca,パカラナ/Pacarana ┼┼┼┼┼┼┼├[チンチラ系] ┼┼┼┼┼┼┼│チンチラ/Chinchilla,ビスカーチャ/Viscachas, ┼┼┼┼┼┼┼│チンチラ鼠/Chinchilla rat ┼┼┼┼┼┼┼└[デグー系] ┼┼┼┼┼┼┼┼デグー/Degu,アメリカ棘鼠/Spiny rat,ツコツコ/Tuco-tuco, ┼┼┼┼┼┼┼┼ヌートリア/Nutria,フチア/Hutia 棘だらけの異様な姿の動物を代表としているグループだが、素人目には、体躯の形状という点ではカピバラやモルモットとよく似ており、まとまりがあるように見える。簡単に言えば、頭でっかち型の丸々体の齧歯類。それにどういうことか短尾とくる。 この姿が顎の筋肉や歯の形状と関係するのかは素人には知るよしもないが、頭蓋容積から見て、相当に大きな脳味噌を持っていそう。その割には、両眼視でもなく目玉も小さい。視覚は余り発達していなさそうだし、他の知覚神経が優れているようにも思えない。そうなると、なんらかの頭脳プレーがお得意なのでは。まさか、水膨れの頭ということもなかろうし。 従って、小生的には、「頭デッカチ形齧歯類」と呼びたい。 モルモットなど、考えている以上に頭脳明晰かも。例えば、詳細な地図情報が頭に入っている可能性もあろう。 グンディは砂漠で広範囲に移動可能だとされるのは、その辺りの判断能力が優れているということでは。その力を使って、アフリカの棲息しにくそうな領域に進出した動物に見える。そして、その後に南米へ。 アフリカと違い、南米では草原の反芻動物が今一歩強力でなかったから、大繁栄できた筈。 まあ、素人の思いつき的シナリオにすぎぬが。 (C) 2015 RandDManagement.com |