表紙 目次 | ■ 分類の考え方 2016.2.27 ■ 恐竜の代表はどれ? 魚類から爬虫類へと進化していく過程でのメルクマールとして、末尾に掲載した系譜図で紫色で示した化石種が選ばれている本の話をした。[→] 小生にとっては、ほとんど無知の領域とはいえ、あまりに馴染みの無い名前だらけなので、整理してみたくなった。と言うか、トリケラトップスとかアパトザウルスの名前が無いから驚いただけ。 ともあれ最重要な分岐は、【単弓類⇒哺乳類】と【前駆双弓類⇒爬虫類/鳥】。 後者は大きく見れば、以下の4区分がわかり易かろう。 0.脊索動物・・・脊椎形成 A.無顎魚 : α. 魚類(板皮系絶滅) : Z.両棲類・・・陸棲化 1.[海棲系] 魚竜絶滅〜首長竜絶滅 2.昔蜥蜴,蛇・蜥蜴,亀,鰐,等々の現存種を生んだ辺り 3.翼竜絶滅〜恐竜絶滅 4.デイノニクス絶滅〜始祖鳥絶滅〜鳥 繰り返すが、重要なのは「恐竜」などという古典的な"分類"観ではなく、進化の過程を示す"分岐"である。馴染みある現存生物の自然分類感覚を生かしながら、流れの大局観をつかむことに主目的がある。細かな、恐竜分類など意味なかろう。 従って、哺乳類への分岐も上記と同様に記載すれば、以下のようになる。 0.脊索動物 A.顎魚 : β. 魚類(鱗系) : Z.両棲類 1.獣弓類絶滅 2.毛獣(哺乳類恒温系) 3.猿 4.ヒト形(裸 直立歩行) 鎧や盾での完全防備と、体躯大型化の流れは、弱肉共食の世界では生まれて当然だろう。 それは、すでに魚類でもで生じていた。板皮での防御は一時期一世風靡。 しかし、ボディプラン上柔軟性喪失は免れないから、環境変化に対応しかねると絶滅の憂き目な致し方あるまい。 単にそれだけのことと考えれば、モンスター恐竜を代表とする意味は薄かろう。 モンスターというのなら、トップにあげたくなるのは翼竜【ハツェゴプテリクス】である。超巨大な翼を持つわけだが、はたして飛べるのかはなはだ疑問なほど。全体バランスなど無関係に、行き着ける限度まで巨大化した見本のようなもの。 爬虫類分岐後ろの大型化の流れということでは、首長竜【クロノサウルス】がすでに代表として選ばれており、さらに恐竜から、超巨大竜脚類【アルゼンチノサウルス】と超獰猛獣脚類【ギガノトサウルス】を入れるのは過度にすぎると思う。 恐竜で選ぶべきは、角竜【トリケラトプス】ではなかろうか。人気があるというより、装飾的意味が大きい進化だからだ。様々な種が混在するようになると、目立つことが、繁殖上重要になってきたことを意味していそう。 現存種の祖を感じさせる化石としては、鳥と蛇・蜥蜴の2つで十分なのではなかろうか。亀や鰐は、哺乳類の進化でいえば犀やアルマジロのような特異種に映るからだ、進化を俯瞰的に眺める上で、代表として扱うのは適当とは言えないのでは。ただ、進化の決め手と言えそうな、移動方式(四肢骨格による体躯の支え方と指と踵の利用の仕方)と棲息域拡大という観点で、祖蛇は重要な示唆を与える。それこそ、蛇脚、鰐脚、亀脚、竜脚、獣脚、鳥脚といった具合。(爬虫類は後肢の特徴で生活パターンが見えてくるが、哺乳類だと前肢の違いが着目点になりそう。) そうそう、哺乳類系進化で鯨の化石を選ぶなら、爬虫類系でも肺呼吸する水棲の魚竜も同時に選んでおく必要があろう。両者とも魚ではないが、魚と見間違うような外見と構造である。その場合は、初出の種ではなく、巨大化種を選ぶのが妥当といえよう。 尚、海棲爬虫類である首長竜は見た目が魚形とは言い難い。 従って、小生の場合は、このような選択になる。余計なものを削除し、★を入れたらどうかということ。これで25のうちの5種である。 魚竜【ショニサウルス】 有燐類[蛇・蜥蜴]【 ★翼竜[ハツェゴプテリクス】 ★恐竜(角竜)[トリケラトプス】 恐竜(有毛)【始祖鳥】 ─・─・─・─・─・─・─・─・─・─・─ ↓有羊膜類 │ ├─→【単弓類】─→獣弓類[絶滅]→哺乳類 │ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │↓竜弓類 ├─→中竜類 │ │↓広義爬虫類 ├─→【無弓類】(擬爬虫類) │ │↓真正爬虫類 │┌─カプトリヌス+プロトロティリス+パレオティリス └┤ ┼│ ┼│↓【双弓類】 ┼│ ┼├─<細脚形> ┼├─<魚竜>【ショニサウルス】 ┼│┼┼┼┼┼┼┼・イクチオサウルス ┼│ ┼│→***鱗竜形*** ┼├┬─────コリストデラ ┼│└┬────鰭竜---首長竜【クロノサウルス】 ┼│┼└┬───昔蜥蜴 ┼│┼┼└───有燐類[蛇・蜥蜴]【Haasiophis】 ┼│┼┼┼┼┼┼┼・テトラポドフィス ┼│ ┼│↓***双弓類の主流*** ┼├─<亀>【オドントケリス】 ┼├─<鰐> ┼├─<翼竜> ┼│┼┼┼┼┼┼┼・ハツェゴプテリクス ┼│ ┼│↓<恐竜> ┼│┼┌───剣竜 ┼│┼│┼┼┼┼┼・ステゴザウルス ┼│┼│┼┼┼┼┼・ファヤンゴサウルス[初期型] ┼│┌┤装盾系 ┼│││ ┼││└───鎧竜/曲竜 ┼││┼┼┼┼┼┼・アンキロサウルス ┼├┤[鳥盤類] ┼││┼┌──角竜 ┼││┼│┼┼┼┼・トリケラトプス ┼││┌┤"周飾頭" ┼││││ ┼│││└──堅頭竜 ┼│││┼┼┼┼┼・パキケファロサウルス ┼│└┤角脚系 ┼│┼│ ┼│┼└───鳥脚 ┼│┼┼┼┼┼┼┼・イグアノドン,カモノハシ恐竜 ┼│┼┼┼┼┼┼┼・ヒプシロフォドン ┼│┼┼┼┼┼┼┼・パラサウロロフス ┼│┼┼┼┼┼┼┼・ヘテロドントサウルス ┼│↓[竜盤類] ┼└┬──────・ディプロドクス,アパトサウルス ┼┼└┬─────・ ┼┼┼│↑竜脚【アルゼンチノサウルス】 ┼┼┼│ ┼┼┼│↓獣脚(二本足移動 肉食)【ギガノトサウルス】 ┼┼┼└┬────・アロサウルス ┼┼┼┼│┌───・ティラノサウルス ┼┼┼┼└┤┌──・ ┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼│↓原鳥類 ┼┼┼┼┼┼└┬─・デイノニクス ┼┼┼┼┼┼┼└┬・【始祖鳥】 ┼┼┼┼┼┼┼┼└───鳥類 (C) 2016 RandDManagement.com |