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■ 分類の考え方 2017.7.28 ■


燈台草の仲間

燈台草を取り上げたので、せっかくだから、その続き。

記憶は定かではないが、小生が"トウダイグサ科"という名称に出会ったのは、植物園のホルト草 or 子巴豆/續隨子/Caper spurgeの説明だったことを思いだした。不思議なことに、その場所にはトンと覚えがない。

この草が植わっているのは、手がかからない上に、名前が面白いからか、と気付いただけだったからにすぎず、植物そのものには全く興味がひかれなかったのだろう。
調べてみると、18世紀(宝永期)にポルトガルから渡来と書いてあったりする。工業用油採取用樹木なので、これからのエコ社会では注目すべき植物とも。凡人発想では、貴重な武器手入用油として、室町時代にすでに入っており、亜熱帯樹だから種子島で採油と想定するが。
中国名を見ると、菩薩豆とか千兩金とされているから、精油方法も簡単で、えらくおカネになる草だった筈だし。マ、どうでもよいが。

ところで、ホルトという名前は草本だけでなく、木本もあるが、こちらは全く別系統。・・・

┌───ホルトの木/杜英

┌┤カタバミ目
││
│└───酢漿草 or 片喰, 五歛子/Starfruit

┌…
│┌──┤燈台草
││└…
└┤キントラノオ目

└───…

上図は簡単にしているが、燈台草が所属するトウダイグサ科とは、キントラノオ目の40近い科の1つに過ぎない。そこらをサラリと眺めるといっても、素人にはえらく厄介。
マ、キントラノオ目を代表するキントラノオ科と、トウダイグサ科と一緒にしてもよさそうに思えるコミカンソウ科辺りからピックアップしてみる程度しかできそうにない。

ホルト草もそうだが、熱帯/亜熱帯の植物だらけ。そんなこともあって、キントラノオ科を眺めるといっても、日本語Wikiで確認すると、属に関しては名称のリストのみ。特定の種にはページが別途存在しているのだろうが、ココで一歩引いてしまう。ちなみに、中国語では散見レベル。(頁としては、こんなところ。・・・金虎尾, 金英, 翅實藤, 盾翅果, 飛鳶果, 三星果, 田陽風筝果.)英語になると60弱だが、この数だと腰が引ける。

しかし、考えてみれば、「金虎の尾」を知らない訳でもない。小生は美ら海水族館のついでに訪れた植物園で見た覚えがあるし、X'masシーズンは赤のポインセチアだけでは寂しいからか、それなりに使われている花だからだ。「恒春葛」(蔓性の「金虎の尾」である。)になると、園芸植物として人気があるようで、ウエブは販売業者とガーデニングマニア情報で埋め尽くされている感あり。
それに、アセロラの紹介も多いから、決して知られていない"科"でもないのである。
ただ、これ以外については、熱帯/亜熱帯の植物なので、現地の方以外、関心は薄いようだ。例外は切手植物図鑑」。キントラノオ科がいくつか紹介されている。(発行国:スワジランド, 英領アンギラ, ブラジル, アルバ, セントヴィンセント, アンティグア・バーブーダ, ドミニカ共和国, パラオ。)

と言うことで、大いにはしょって、全体がわかるようにまとめたものを下記に。・・・

コカの木/古柯樹/Coca
勿論、国内栽培は違法。
┌┤
│└雄蛭木/Black mangrove
雌漂木
八重山蛭木/Red mangrove
沖縄〜先島のマングローブ紹介は新宿御苑が熱心。
┌┤
││┌福木/"common" Garcinia
│││美ら海水族館ビーチ先の備瀬の並木は有名。
│││樹皮は久米島紬の黄色染料用。
│││Mangosteen[果物の女王]
│└┤
照葉木/Beach touriga
熱帯防風林用とか。

│┌─【キントラノオ】"科"
││--黄色花穂--
││金虎の尾/Thryallis or Gold shower@メキシコ熱帯域
││柊虎の尾/金虎尾/Singapore holly@カリブ
││穂咲猿尾/飛鳶果/Hiptage@インド〜東南アジア
││[上座部仏教吉兆樹のAtimukutaka/阿底目他迦]
││--蔓--
││蔓金虎の尾/Butterfly vin@南米熱帯域
││恒春葛/三星果/Vining milkweed@東南アジア〜豪州海岸域
││[恒春は台湾の地名]
││Amazonvine@南米
││ササキ蔓@石垣島に一ケ所一株のみ自生か?
││--独特な実--
││アセロラ/西印度櫻桃/"Acerola" or Barbados cherry@米州
││アメイシャ/-/Monk's plum or "Ameixa"@南米
││Clam cherry or Long key locustberry@カリブ〜フロリダ[食用果実]
││n.a./死藤水/"Ayahuasca" or "Caapi"@南米[幻覚物質含有]
├┤
│└─海南木/毒鼠子@海南島

┌───【フミリア/香膏@南米熱帯常緑核果樹
【アカリア/鐘花@熱帯
│┌┤
│││┌─【グーピア】@南米熱帯
│││┌┤
││││└─【スミレ】
││││/菜/Pansy, Violet[いかにもスミレ的約600種]
││││-/鼠鞭草/Wild viole
││││-/三角車@東南アジア亜熱帯域
││││-/Whiteywood@NZ
││└┤
│││┌─【時計草/時計花 or 藍花西番蓮/Passion flower 】
││││  パッションフルーツ or 果物時計草/Passion fruit
││└┤
│││┌【ラキステマ/裂
││└┤
││【柳/楊柳/Willow
└┤
│┌【トウダイグサ】"科"
││《燈台草の仲間》
││【トウダイグサ】"属"…燈台草+錦草+多肉植物[→]
││白木 or 白乳木/白木烏
││南京黄櫨/Chinese tallow‐tree [蠟燭用]
││青紫木/海漆/Milky mangrove
││《榎草の仲間》
││榎草 or 編笠草/鐵/Acalypha or Asian copperleaf
││道端の丈が約30cmの草。よく見かける。当然、畑地雑草。
││葉は、言われてみれば、下部の葉脈は"榎"似。
││葉のつけ根(腋)から柄が伸びて小さな花が穂状に付く。
││ コレ雄花。風媒花か?雌花に落下し受粉か?
││雌花は、腋に、お包みに囲われて存在。編笠に見えぬが。
││ひま or 唐胡麻/蓖麻 or 伊蘭/Castor bean@ナイル発祥
││八手似、雄花が異様で、見もの。[ひまし油]
││阿闍世王:「伊蘭子は自身。栴檀が無根の信。」
││赤芽柏/野梧桐
││山藍/山/Mercury
││藍は蓼系。外観も色素も全く違う。
││藍渡来前は倭では染色剤か。
││大葉紅柏/山麻杆
││インカインチ/Inca-peanut or "sacha inchi"
││《ハズの仲間》
││ククイ/石栗 or K桐油樹/Candlenut or "kukui"
││支那油桐/油桐 or 虎子桐/Tung-oil tree
││ハズ/巴豆/Purging croton
││ クロトンの木 or 変葉木/Croton
││ ホルト草 or 小巴豆/續隨子/Caper spurge
││キャッサバ/木薯/Cassava@ブラジル発祥
││パラ護謨の木/橡膠樹/Pará rubber tree
└┤
【コミカンソウ】"科" (推奨BLOG)「植物三昧」Phyllanthaceae
山篳撥/酸味子
 熱帯にはアンティデスマ/五月茶の類縁が多いようだ。
 ビグネイ/五月茶/Bignai
 南洋五味子
  サラマンドの木 or ブニの木/Chinese laurel
  Salamander tree or "Buni"
 "Mao Luang"@タイ…果汁
 "Hame"@ハワイ
多脉木/Rambai
赤木 or カタン/秋楓/Bishop wood or "Quatamba"
小蜜柑草/葉下珠/Chamber bitter@スリランカ発祥
一葉萩/葉底珠
天芽芝/守宮木/Sweet leaf bush or "Katuk"
甘芽木では?蔬菜名(アスパラガス的)は烏尼菜。

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