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魚の話  2008年2月15日
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みるくい の話…


  上ネタを 喰ってミルカイ 自腹でも

    お寿司屋さんも大変な目に遭うことがあるようだ---
      な・な・なんと高級貝の本ミル貝が食べられた
      犯人は蟹と石鯛だと思はれる。ショック!
      家の水槽は三つに区切られていて、カキや魚やタコが入っているが
      何故ミル貝が蟹や石鯛の区切りの中にいたのか  [すし屋のうめさん]


 太くて大きい水管が特徴のミル貝だが、本名はミルクイ(海松喰)だそうである。何故、そんな個性的な名前を付けなければならないのかと思うが、親類を見ても、青柳や姥貝といった面白い名称が多い。
  → 「ばか貝 」 (2006年3月24日) 、  「ほっき貝 」 (2006年3月17日)

 名前はよく知られているが、ほとんど貴重品に近い。なにせ、鮨屋の仕入れ値が1個数千円だという。ここから最大でも4貫しか取れない。「本ミル」を注文するだけで、松寿司並の出費を覚悟せざるを得ない訳で、そうまでして食べるようなものでもあるまい。
 “瀬戸内海や三河湾、東京湾などの内湾に多い”(1)というから、すでに絶滅化の道を歩んでいると見てよいだろう。
 東京湾など、9割が埋め立てられており、人工干潟でレクリエーションのためのアサリ採りができる程度なのだから。(2)
 鮨ネタが獲れることで有名な富津には埋立記念館がつくられており、そこでは潜水漁はすでにジオラマの世界と化している。(3)
 対岸の横須賀では、本ミル貝を採り続けているのは、“神奈川県唯一の潜水漁業”。(4)

 当然ながら、鮨屋は「白ミル」なるネタを使うしかない。波貝と呼ばれる貝らしいが、形状が似ているだけで、全く違う種類だ。
 こちらも、どれだけ続けられるか。潜水病に罹る危険性が高く、きつい仕事である。(5)
 しかも、アメリカ産が入ってきたから価格も低迷しているようだ。(6)

 それに米国産“Geoduck(アメリカナミガイ)”はとてつもない大きさだ。
 それより驚いたのは、この貝の寿命は150年に達するという点。(7)本当なら、育つまで相当な時間がかかるということ。
 そんな貝を採っていたら、どうなるかは自明だと思うが。

 --- 参照 ---
(1) ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑 ミルクイ/みるがい
  http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/mirukui.html
(2) 都漁連内湾釣漁協議会 丸裕二: 「お台場海浜公園の人口干潟におけるアサリ」
  http://www.tsuriryo.com/01syusi/pdf/05asari.pdf
(3) http://www.city.futtsu.chiba.jp/kurashi/shisetsu/umetate_kinenkan.html#fureai
(4) ぶらり途中下車の旅 京浜急行線 県立大学駅「小松原さん親子」 日本テレビ
  http://www.ntv.co.jp/burari/070407/info05.html
(5) http://wsdb.nifs-k.ac.jp/literature.php?id=997
(6) http://www.tokai.maff.go.jp/somu/joho/genchi/2006/tokutei/t0607-04.html
(7) http://www.psat.wa.gov/you_can_do/creature/geoduck.htm
(すし屋のうめさんの話) 2007年07月29日 “無惨” http://umesan.eshizuoka.jp/e26826.html
(海松の丸文様) (C) dojian.com 童子庵 “素材庵” http://sozai.dojian.com/index.html
(Geoduckの写真の元) Wikipedia “GooeyduckSeafood.jpg” http://en.wikipedia.org/wiki/Image:GooeyduckSeafood.jpg


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