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魚の話  2009年3月6日+追記
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あめふらしの話…


  あめふらし はまでおむかえ うれしいな


 最近、暖かくなってきたので、昼間、砂浜を散歩したのだが、生き物の影もない。おっと、犬の散歩道だったから、そうは言えないか。
 人工砂浜でも、磯に棲む生き物が打ち上げられてもよさそうに思うが、毎日清掃して片付けてしまうのだろうか。どうも、遊園地の砂場の感じがして、面白くない場所である。
 おそらく、ハワイのワイキキのように、人が溢れるビーチを目指しているのだろうが、あちらの良さは砂浜というより、心地よい風ではないか。

 そういえば、浜には時々、アメフラシ君が打ち上げられたりするものだが、最近は磯も荒れてきたから、元気に生活しているのか多少心配である。
 小さくて、バラエティ豊かな色模様のウミウシ君は人気がでて当然かも知れないが、同じ仲間でも、こちらはメタボで虐められやすいし。グロテスクとか言われ、捨てられかねない、可哀想な存在である。
  → 「 うみうし」 (2006年11月10日)

 紫色の液を出したりして、よく蹴飛ばされたりしていたが、今もそうなのだろうか。よく考えれば、紫色は高貴なものだから、アメフラシ染めがあってもよかったと思うのだが。
 アカニシの貝染めより、簡単そうだが、染料としては低品質ということか。
  → 「 あかにし」
 (2006年5月5日)

 ところで、最近、たまたま知ったのだが、このアメフラシ君、食用だという。隠岐には、ベコ(アメフラシ)料理があるそうだ。“酢みそ和えは、チャリチャリとした歯応え”(1)とか。

 まあ、そのまま食べて美味しい筈がないから、おそらく、内臓をしっかり取り去り、よく洗うのだろう。しっかりした処理をすれば、そんな悪い食材ではなさそうではある。
 もっとも、煮すぎれば、肉が硬くなるのは間違いなく、そうなればとても食べられたものではなかろう。ただ、そこを工夫した佃煮を作ることはできるかも。
 肉の硬直化を防ぐ手立てさえすれば、結構イケルに違いない。
 ただ、そこまで手をかけ、服を汚してまで、食べるようなものとは思えない。

【追記】
 山口正士先生に、トンガ等の南太平洋諸島ではアメフラシを食用にしていると教えて頂いた。食用沿岸生物のポスターにも出ているそうだ。ココナッツ味に合うのかも。
 早速、トンガ海洋保護区の調査を見てみたが、“ウミウシ(Veata)−フィジーの珍味−ここ何十年か見られなかったが禁漁区内で見られ るようになった。”(i)とのこと。
 かなり昔のことだが、フィジーのナンディに、スーパーで売られている食べ物を眺めに行ったことがある。インド系オーナーの店のせいかも知れぬが、残念ながら、Veataには気づかなかった。どうも、フィジーでは結構一般的な漁獲物のようであり、(ii)それなら、一度試してみたいという気になってくる。

 話はかわるが、先生のご指摘によると、日本の砂浜はとんでもない状況に陥っているようだ。
 昔のように“砂浜の所々に貝殻が山となっている”光景は見られなくなり、“砂浜が漂着ゴミで異様に汚いか、それが清掃されて異様にきれいな状態のどちらか”らしい。
 しかも、今や、“海の中も貝が激減”だという。
 唸らざるを得まい。

 --- 参照 ---
(1) 林亜希子: 「旅のレポート 島後・隠岐の島町」シマネスク しまね旅倶楽部
   http://www2.pref.shimane.jp/kouhou/esque/55/menu05.html
(雨だれのイラスト) (C) 素材屋じゅん II http://www.sozaiya.org/index.html
(i) 中谷誠治: 「自然環境保全における住民参加 −熱帯沿岸における海洋保護区を例に−」
  “5-1 トンガの海洋保護区”32頁 [2004.7]
  http://www.jica.go.jp/jica-ri/publication/archives/jica/kyakuin/pdf/200407_02_05.pdf
(ii) “The sea hare fishery in Fiji Islands” SPC Women in Fisheries Information Bulletin #19 ? February 2009
  [SECRETARIAT OF THE PACIFIC COMMUNITY]
  http://www.spc.int/Coastfish/news/WIF/WIF19/WIF19_17_Singh.pdf


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