表紙 目次 | (C) Smokeybjb ■■■ 2017年12月7日 ■■■ オットイア …"環神経系"化石を取り上げてみよう。もちろんWormだが、以下のような位置にある。<基底種> 矢虫 <脱皮系> 環神経 /Cycloneuralia 線形Worm(線形,類線形) 有棘Worm(鰓曳,動吻,胴甲) 汎節足(節足.緩歩,有爪) <非脱皮系> 担顎Worm(顎口,微顎,輪形,鉤頭) 扁形Worm(扁形,腹毛,菱形,直泳) "純粋"冠輪(有輪,軟体,腕足,箒虫,内肛,外肛,紐形,環形) → 「進化と分岐の考え方[続 附録]」(2017.11.24) → 「Worm」(2017.11.26) 先ずは線形Wormだが、見かけ線形とは言いかねるが類線形とされる種が見つかっている。 ○クリココスミアCricocosmia【澄江】 ○マオティアンシャニアMaotianshania【澄江】 ○パラエオスコレクスPalaeoscolex【澄江】 一方、有棘Wormの方は、胴甲動物/Loriciferaの化石は無いようだが、カンブリア紀鰓曳動物/Archaeopriapulidaは矢鱈豊富である。 砂泥中棲向きな円筒形であり、いかにも化石になり易そうだから、当然といえば当然かも。脱皮系のうち一番早くに分岐した群とされている。底穴棲から脱皮が始まったというシナリオは納得し易いが、安直に考えるとたいてい間違いだから注意した方がよさそう。 尚、現生タイプ/Priapulidaは3類に分けられている。(Priapulus, Priapuloides, Halicryptus) 口吻部分を除けば、体節があって、肥った蚯蚓的であるが、分岐分類上からはえらく遠縁である。砂泥中のU字型の棲管を掘って生活するタイプで、餌が来ると巣穴から吻を体のなかから放射的に伸ばして捉える構造。口唇が裏返しになって捉える訳だ。 肛門は尻にあり穴から糞を排出することになり、U字型体躯ではあるものの一直線構造であり脱皮するには向いているといえよう。 ○オットイアOttoia【バージェス】 尻に棘があるが、穴に固定し糞を海中に放出し易くするためだけではなく、体躯全体を力学的に固定して吻放出効果を最大限にする意味もあるのだろう。 棲管中棲の典型はこちら。 ○セルキルキア Selkirkiaバージェス】【澄江】【シリウスパセット】 小生は、自作棲管作成の流れの行き着く先が、そのなかでのガラガラポン的変態を行う脱皮動物の登場に繋がったと見る。海底棲息環境と陸上で擬似的に作り出す仕掛けなのであろう。同時に、体節の数を限定的にする腹側の仕組みが、背側というか外側体節発達の仕組みにも取り入れられたということか。 各体節に肢が生まれる前段階としては、すでに側面に細かな突起群を持つ種が生まれており、より効率的な移動を実現するために葉型脚に変わっていったと考えたらよいのかも。 ○ルイゼラLouisella【バージェス】 体長20cm以上。突起群は2列。 この他には以下のような種がゾロゾロと。・・・ 【バージェス】フィエルディアFieldia, Ancalagon, Scolecofurca, Lecythioscopa, 【澄江】Acosmia, Archotuba, Corynetis, Eximipriapulus, Gangtoucunia, Lagenula, Laojieella, Oligonodusm, Omnidens, Paratubiluchus, Paraselkirkia, Sandaokania, Selkirkia, Sicyophorus, Sicyophorus, Xiaoheiqingell 【Mazon Creek】Priapulites 現生種のPriapus caudatusは発生観察からすれば、後口であるとされており、前口、後口分類がそのうち変更せざるを得ないことを示唆している訳だが、このことは、遺伝子のツールキット利用に柔軟性がある生物ということを意味しており、かなりの基底部の種を含んでいる可能性が高いとも言えよう。 "Mud dragon"と呼ばれる動吻動物の方も、コレゾと思われる化石が発見されている。 ○始祖動吻蟲/Eokinorhynchus rarus<535Mya> 無数の棘がある鎧的な外皮の鰓曳型体躯。 と言っても、1mm程度。 体節20のSEM画像からの判定である。 → [PHOTO]Huaqiao Zhang, et al.:"Armored kinorhynch-like scalidophoran animals from the early Cambrian" Sci Rep. 2015-5 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |