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2005.10.20 |
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紅茶のこれから…
そのため、偏狭な政権によって抑圧された歴史をもつ。李氏朝鮮や毛沢東は、茶を愉しむ文化を「反体制的」とみなしたのである。 茶が無いからといって、生活にこまる訳ではないが、極めて重要な商品であることがわかる。 欧米では、茶貿易を巡って戦争まで引き起こされたくらいだ。 → 「お茶の歴史をふり返る 」 (2005年10月19日) それでは、世界に広がっている紅茶文化はどうなっているかというと、様々な見方があり意見は分かれるようだ。 緑茶とは違うとはいえ、健康な生活に寄与する飲料と見る人もいれば、様々な味と香りのバラエティを愉しむ嗜好飲料と考える人もいる。 一方、飲料と言うより、ライフスタイルの一部としての地位が高まり、薀蓄を傾ける対象となったり、情緒を楽しむ道具となっていると語る人もいる。 国によって、文化は大きく違うから、経済がグローバル化していても、全体像を捕らえるのはなかなか難しそうである。 ただ、これだけ色々な意見があるということは、この分野は、掘り返せば、様々なビジネスチャンスが眠っている分野ということだろう。 そこで、日本市場では、紅茶のブランドがどうなっているか、わかり易そうな本(1)を選び、ざっと眺めてみることにした。 最新データではないが、掲載されているブランドの一部を整理してみたのが右表である。 耳にするブランドが大半だが、これほど流通しているとは思わなかった。世の流れとはいえ、ブランド競争は激しそうである。 さあ、これをどう見るか。 一般論でいえば、この手の産業は、それぞれの産地の農産物が、都会に販売網を広げることで発展してきた歴史を持つ。 そのうち工業化に成功して、品質を担保しながら大量生産できるようになり、グローバル市場を作りあげることに成功する訳だ。 そんな流れに乗った企業が今も「紅茶業」として活躍している。当然ながら、グローバル食品企業の傘下企業もある。 そして、社会が成熟してくると、必然的に高級化の波が訪れる。 こだわり農産物への回帰が始まる。特定産地品や栽培方法特定品が伸びるのである。 その観点で眺めてしまうと、栽培地厳選や、特定産地商品の登場に注目しがちだ。 しかし、大きな流れとしては、そんなことより、お洒落感を訴求しているブランドが増えていると言えそうである。 寛ぎの時間“ティータイム”が一般化しつつあるのだと思う。 そうなると、日本の体質からいって、様々な珍しい香りや、愉しげなコンセプトが色々と試されそうだ。 おそらく、そんな要望に上手く応えるブランドが伸びていくだろう。 と言うより、“ティータイム”を愉しむ新しい流れをつくったブランドがリーダーになっていくのだと思う。 そうだとすれば、新興企業が伸びる余地は大きいし、その一方でブレンド技術を持つ伝統品メーカーも強さを発揮できそうである。後者の場合、“伝統”をお洒落にアレンジすることに成功すれば、一世風靡に繋がる可能性が高いからだ。 高齢化では世界の先をひた走る日本である。ここから、世界に冠たる紅茶文化が生まれてもおかしくはない。 --- 参照 --- (1) 谷口安宏監修「紅茶図鑑 131ブランド800点」日本文芸社 2003年 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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