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2009.3.10 |
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茴香の話…火盗から 命の野菜と 選ばれし 何故、神話の世界に、フェンネルが登場するのだろうか。 しかも、草の茎に火を隠すという発想もよくわからない。 海外文化の理解はことのほか難しい。 “紹興酒を飲みながら、「孔乙己 (こういっき)」 でもお読みになったら如何”という話をした。 → 「餃子モドキで紹興酒を楽しむ」 (2008年7月9日) そういえば、この小説では、酒のツマミは茴香豆だ。「茴香豆の茴の字は、どう書くんだか知ってるかえ」(1)という話が入り口である。 この話は有名だし、単なる蚕豆の塩茹でだから、作るのも簡単だから、話題性を狙って、中華料理のメニューに登場させてもよさそうなものだが、見かけたことがない。香菜の香りに耐えられない人が結構多いから、ウイキョウの強い香りはとても無理とということか。 しかし、野菜としては、それなりのレストラン市場ができているようだ。(2)ただ、サラダの定番というところまではいってないようだ。 一方、乾燥種はレストランで良く見かける。但しインド料理店。こちらでは、名前は、フェンネル[Fennel]となる。 口に含み、食後の清涼感を得るためのに供される。カレー味に、口臭消しが必要とは思えないが、インドの習慣なのだろうか。 ギリシア神話に登場する、人間にとって重要な植物だから、(3)いつ食べてもよかろうというだけのことかも。 もしかすると、高年齢層は仁丹味を思い出すのではないか。その点では、結構好かれている可能性もある。 ところで、“中国では、この果実が魚の香りを回復させるということから茴香と命名”(4)と記載されているが、本当だろうか。魚は香りというより、臭い。フェンネルは生臭さを消すためではないか。 英語の語源も乾草という記載をよくみかけるが、これも疑問が湧く。由緒正しきものに、そんな命名をするとは思えないのだが。 回教国の草で香りが強いと読むなら納得感が湧く。ともかく、独特な香り草という意味の名前にしたに違いなかろう。 --- 参照 --- (1) [青空文庫] 魯迅: 「孔乙己」1919年 (井上紅梅訳 1932年) http://www.aozora.gr.jp/cards/001124/files/42938_18510.html (2) “藤原稔司さん” LICOおかやま 「ハングリー精神のあるシェフに、うちの野菜を使ってほしい。少しでも、地元外食産業のレベルアップに役立てれば…」 http://www.lico.co.jp/okakura/content/view/357/50/ (3) N.S. Gill: “Prometheus in Greek Mythology Prometheus was the Fire-Bringer and Benefactor of Mankind” about.com http://ancienthistory.about.com/cs/grecoromanmyth1/a/prometheus.htm (4) GKZ植物事典 ウイキョウ http://www.t-webcity.com/~plantdan/souhon/syousai/a-gyou/u/uikyou/uikyou.html 調べていないが, 團伊玖磨 「またしてパイプのけむり」14巻4項[35頁]の“茴香”が出典か (Fennelの図譜) [Wikipedia] http://en.wikipedia.org/wiki/File:Koeh-148.jpg 「食」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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