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2000.10.6
 
 


PDA技術が弱体な理由…

 もう3年以上も昔のことだが、「タイム」誌(97年4月14日号)にPDAに賭ける日本企業が取り上げられた。ハイテク・デジタル機器で飛躍を狙う日本のエレクトロニクス・メーカーの特集記事である。

 670ドルのカラー・ザウルスなら秘書一人雇い入れるより安上がりだ、と機能を紹介しながら賞賛している。その上、日本には、手強い競争相手がいると語っている。PDAと携帯電話が一体化された「ピノッキオ」、切手サイズ・メモリカードが装着された「ジェニオ」のことだ。

 しかし勝利者は、こうした日本企業ではなかった。美しいデザインの小さなパッケージに機能が満載されていても、世界の消費者の琴線には触れなかったのである。(といっても、日本国内では「ザウルス」だけが定着したのであるが。)

 実は、この時点で、日本企業の非力な部分が指摘されている。同記事には、「ペン・コンピューティング」誌のコメントが載っている。カラー・ザウルスは携帯型コンピュータの金字塔と絶賛する一方で、英語のOSはどうなっているのかわからないし、手書き文字認識の仕組みも不可解、というものだ。市場を知る人は一応に、同様の危惧を語っていたが、結局、その通りになったのである。

 残念ながら、国内市場には、日本メーカーを支える良質なユーザーはいないのである。デジタル・ワールドのリード・ユーザーである米国消費者に認められるソフト開発力がなければ、グローバルな競争では勝てないのだ。

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