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2004.3.19
 
 


Xerox復活への動き…

 2004年3月から、米国Xeroxが新プリントシステムを販売し始めた。(1)

 不調で身売りの噂話まで囁かれた企業だが、研究開発力をバネに挑戦を開始した。優れた要素技術を持つ企業である上、富士ゼロックスとの技術提携もあるから、的確な戦略が策定され、しっかりした技術マネジメント体制を構築すれば、競争力を発揮できるだろう。

 Xeroxによれば、駆動部品の大規模削減の実現と共に、以下の分野で革新技術を登用したという。このために、4億ドルを投下したという。(2)
 ・高精度イメージ・センサー
 ・強力な専用デジタル・イメージ・チップ
 ・空気による紙送りの仕組み
 ・スピードの急加速/減速機構

 新製品発表というと、どうしても、こまかな技術や、機器価格に目がいく。しかし、注目すべきは、この点ではない。
 機器よりは、システム化の流れが一段と強化されたのである。

 ついに大規模印刷「システム」ビジネスに踏み出すことになりそうである。

 その動きの象徴が、「Inovate '04」セミナーである。このセミナーにパートナーとして並んだ企業は多岐に渡り、20社に達する。
 ネットワークに繋がる機器販売から、ネットワーク全体の最適化ビジネスへと、販売形態が大きく変わることを意味していると見てよいだろう。
 (共催: Adobe Systems Inc.、Creo Inc.、EFI、North American Publishing Company)

 要するに、企業側が、コピアとか、印刷機といった、機器単品でのパフォーマンスで評価するのではなく、原稿から、コピーを利用者に届けるまでの全プロセスでのパフォーマンスで良し悪しを図る時代に入ったことを意味する。

 こんな時代が来ると言われ続け、現実に取り組みも進んでいたのではあるが、思ったほどの動きはなかった。
 ところが、今回は、本格的な体制を敷いている。これで、一気に市場が開けるかもしれない。

 このような動きを加速させているのが、競争相手の動きだ。
 HPが、Xeroxの牙城と言われている、高速大量プリントの世界に注力し始めている。

 こうした動きに触発され、印刷ビジネスの仕組みが変わり始めることになろう。
 → (2004年3月20日)
 --- 参照 ---
(1) http://www.xerox.com/go/xrx/template/inv_rel_newsroom.jsp?app=Newsroom&ed_name=NR_2004Feb26_Innovate04&format=article&view=newsrelease&metrics=hp_news_Feb26Innovate04&Xcntry=USA&Xlang=en_US
(2) http://techextreme.newsfactor.com/story.xhtml?story_title=Xerox_Unveils_New_Document_Technologies&story_id=23115


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