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2006.5.11
 
 


PS3の発表を聞いて…

 「E32006」(1)開催前日、2006年5月9日に、ソニーが、家庭用ゲーム機「プレイステーション」次世代版PS3の最終仕様を発表した。(2)

 ソニーにとっては、「E32006」は正念場である。ここで、インパクトを与えられないと、暗雲が立ち込めかねないからだ。(3)
  → 「ゲーム機器の大勝負 」 (2005年5月23日)

 一番の関心事は価格だ。

 BD-ROM/HD搭載で、税込み小売価格が62,790円に設定されている。ゲームソフトを幾つか購入して遊ぶには、約10万円必要ということになる。

 これで、高精度ディスプレー対応機として、すでに上市されている、4万円を切るXbox360と戦うことになる。Xbox360は、PS3発売直前にさらに価格が下がる可能性もあり、PS3の高価さは目立つことになりそうだ。

 もともと、BD-ROMを搭載するから、高価になることは予想されていたが、PS2の時のように、無理矢理にでも、5万円を一寸越す程度に設定するかと思っていたが、想像以上に高額な値付けだ。いくら素晴らしい性能でも、この価格では、一般のゲームファンはなかなか手がだせないのではないか。
 高価な高性能パソコンでゲームを楽しむ層は、飛びつくかもしれないが、その数はそう多くはないだろう。

 もともと、次世代はゲーム機ではないとか、ゲーム機を超えるとの発言が聞こえていたから、今までのゲームユーザーとは違う人達をターゲットにするつもりなのだろうか。

 そうなると、機器ではなく、ゲームメディア販売で利益を出すという、従来型のビジネスの仕組みが成り立たないかもしれない。
 リスキーな事業である。

 ともあれ、家電の大量生産品とはいえ、機器仕様は高度である。

 新開発の高速プロセッサに、256MBのRAMとハードディスク。さらに、LANはギガビットで、USBは4端子。しかも、コントローラはBLuetooth接続だ。

 キーボードが無いだけで、ここだけ見れば、まぎれもなくコンピュータそのものである。

 しかし、よく見ると中途半端な印象を受ける。結構重要だと思われる機能が、高額なモデルにしか無いのである。ディスプレーとのHDMI接続、無線のWifi、カードリーダーがカットされているのだ。

 う〜む。

 しかもハードディスクといっても、その容量は20GBだから、ハイビジョンレベルのビデオ収容のゆとりはない。

 それでも、OSのアプリケーション・ソフトとのインターフェース規格が公開されるなら、利用者が新しい使い方を生み出すこともできて、面白くなるかもしれないが、そのようなことをすることはないだろう。

 しかし、リビング・ルームに持ち込むオーディオ・サーバとしての道は追求するのだろう。
 高級オーデーオSACDに対応しているからである。

 PS2は、そんな方向に進む気配を示さず、大いに、残念だったが。

 --- 参照 ---
(1) http://www.e3expo.com/conference-program/default.aspx
(2) http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/060509a.pdf
(3) http://www.us.playstation.com/E3h
  http://www.us.playstation.com/PS3
   

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