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2007.11.21 |
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ナノチューブ研究が商品開発段階へ…ナノチューブのインパクトを“世界を震撼させる大発見”と語ったら、どうせ使えるのは、ずっと先の話だから、評価するのは早すぎると見ている人が結構いることに驚いた。→ 「カーボンナノチューブのこと 」 (2007年9月25日) American Chemical Society's Nano Lettersのホームページ(1)を眺めていると、2007に入り、急激に論文の質量が変化したのに気付く。まあ、素人が、各論文のイラストを見ただけの印象ではあるが。 ただ、普通は、このような変化は、“なにかできそうだ”という雰囲気が広がっていることを意味する。論文を急いで出さないと、流れに置いてきぼりになるといった感覚と言ってもよいかも知れない。 実際、2007年10月に入り、ナノチューブ・ラジオの話がニュースに流れてきた。(2)一般受けしそうな発明であり、なかなか面白い。 “It is conceivable in the future that all components could be nanoscale, thus allowing a truly nanoscale wireless communications system.---Prof. Peter Burke”ということ。 これは、University of Californiaのチームの成果。電波の周波数に合わせ振動させるだけの簡単な構造のようだ。(3) ・・・と見ていたら、Berkeleyのチームからもラジオが登場したので驚いた。(4) ソリッドステートだが、なんとなく、昔のラジオのコンセプトに戻ったような感じを受ける。 ラジオはともかく、受信が可能ということは、簡単に発信もできる筈。つまり、様々な電子デバイスが生まれることを示唆していると言えよう。 この調子で研究が進むなら、10年後には、この分野は一変するような気がする。 企業研究の実態はなかなかわからないが、こちらも進んでいるようだから。 大学の成果はとがったもの1つでもできれば、それでOKだが、その先が大変。 それを考えれば、商品化の一番の鍵は測定技術ということになる。これがなければ、品質もなにも評価ができないからだ。 ところが、これも可能になったようだ。2007年10月、分析が可能になったとの発表があったのである。(5) これで研究者は勢いづくに違いない。 評価ができるようになれば、資金を投下すれば、確実にモノになるからだ。 いよいよ、本格的な競争が始まるということだ。 --- 参照 --- (1) NANO LETTERS-ACS Publications http://pubs.acs.org/journals/nalefd/index.html (2) “'World's smallest radio' unveiled” BBC [2007.10.18] http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/7050477.stm (3) Chris Rutherglen & Peter Burke: “Carbon Nanotube Radio”American Chemical Society's Nano Letters [2007.9.14] http://128.200.94.85/papers/nl0714839.pdf (4) K. Jensen, et.al.: [Nanotube Radio: Supplementary materials] http://socrates.berkeley.edu/~argon/nanoradio/radio.html “Nanotube Radio”American Chemical Society's Nano Letters [2007.10.31] (5) “IBM Scientists Create Method to Measure the Performance of Carbon Nanotubes as Building Blocks for Ultra Tiny Computer Chips of the Future” IBM Press releases [2007年10月15日] http://www-03.ibm.com/press/us/en/pressrelease/22441.wss (アンティーク・ラジオのイラスト) 牛飼いとアイコンの部屋 http://www.ushikai.com/index.htm 技術力検証の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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