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■■■ 日本の基底文化を考える [2018.8.24] ■■■
鳥崇拝時代のノスタルジー[45]
−出雲國風土記の鳥−

「出雲國風土記」を見てみよう。

【出雲國総説】
[著作者]は、枝葉[祖神からの系譜]を細かく思案し、詞源[地名の由来]を裁定した。亦、山野からM浦まで各處は、鳥獸の棲息地。魚貝海菜の類は良く繁茂し多いので、悉く陳述はしない。・・・
「水経注」のような感じの記載である。

【意宇】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 G…ワシ(クマタカだと思うが。)
 晨風/隼…ハヤブサ
 山…ヤマドリ
 鳩…ハト
 鶉…ウズラ
 /離黄…“”ヒバリ
 鴟[悪鳥也]…フクロウ
《津間抜池》周囲二里
 鳧…"小鴨"タカベ["計里"ケリではないらしい。]
 鴨…カモ

【嶋根】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 鷲/G…ワシ
 隼…ハヤブサ
 山…ヤマドリ
 鳩…ハト
 雉…キジ(きぎし)
《法吉郷》@松江
神魂命御子 宇武加比賣命 法吉鳥化而飛度 静座此處 故云法吉
法吉鳥=鶯
《法吉坡》周五里 深七尺許

 鴛鴦…オシドリ(をし)
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
《口池》周一里百八十歩

 鴛鴦…オシドリ(をし)
《敷田池》周一里

 鴛鴦…オシドリ(をし)
《前原埼》東北竝下則有陂 周二百八十歩 深一丈五尺許
 鴛鴦…オシドリ(をし)
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
随時當住
嶋》周一十八里一百歩 高三丈
古老傳云、出雲郡杵築御埼有天羽々鷲掠持 飛燕来止于此嶋
故云

《鳩嶋》周一百歩 高一十丈
《鳥嶋》周八十二歩 高一十丈五尺

 鳥栖
《稻積嶋》周卅八歩 高六丈

 松木鳥之栖
《鶴嶋》周二百一十歩 高九丈

【秋鹿】
《都勢野山》
 鴛鴦住也
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 G…ワシ
 晨風…ハヤブサ
 山…ヤマドリ
 鳩…ハト
 雉…キジ(きぎし)
《惠曇池》築陂 周六里

 鴛鴦…オシドリ(をし)
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
《深田池》周二百卅歩

 鴛鴦…オシドリ(をし)
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
《佐久羅池》周一里一百歩

 鴛鴦…オシドリ(をし)
南は《入海》@宍道湖
秋則在
 白鵠…ハクチョウ(くぐひ)
 鴻鴈…ガン(かり)
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
  等鳥

【楯縫】
御子天御鳥命 楯部為而 天下給之
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 G…ワシ
 晨風…ハヤブサ
 鳩…ハト
 山…ヤマドリ
《自毛埼》
即有晨風栖也

【出雲】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 晨風…ハヤブサ
 鳩…ハト
 山…ヤマドリ
 鵠…ハクチョウ(くぐひ)
 …ツグミ
東は《入海》@宍道湖
多有
 山…ヤマドリ
 鳩…ハト
 鳧…タカベ
 鴨…カモ
 鴛鴦…オシドリ(をし)
  等族也
《門石嶋》高五丈 周二歩有鷲之栖

【神門】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 G…ワシ
 鷹…タカ
 晨風…ハヤブサ
 鳩…ハト
 山…ヤマドリ
 鶉…ウズラ

【飯石】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 鷹…タカ
 隼…ハヤブサ
 山…ヤマドリ
 鳩…ハト
 雉…キジ(きぎし)

【仁多】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 鷹…タカ
 隼…ハヤブサ
 鳩…ハト
 山…ヤマドリ
 雉…キジ(きぎし)

【大原】
凡て、諸々の山野に有る所の・・・
禽獣則有
 鷹…タカ
 晨風…ハヤブサ
 鳩…ハト
 山…ヤマドリ
 雉…キジ(きぎし)

(参照:ママ引用ではありません。) 秋本吉郎[校注]:「風土記」日本古典文学大系2 岩波書店 1958年
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