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■■■ ジャータカを知る [2019.3.23] ■■■
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🐀鼠信仰状況を眺めると、インドの奥深さに、ついついため息がでてくる。

カルニマーターKarni Mata寺院@ラジャスターン州ビーカーネールBikaner近郊Deshnokには約25,000匹の黒鼠"kabbas"が住んでいるという。大型施設であり、毎日、ミルクが供されるし、時には盛大な御祭りも。

カルニマーターKarni mata女神の息子"Laxman"が池で溺死してしまい、死神ヤマYama/閻天に無理に頼みこんでで復活させもらった結果、子供達が鼠になってしまったという。(黒鼠に混ざる数匹の白鼠が神聖な息子達。)出自は、この地域の王族の守護神だろうが、おそらく、ジヴァ妃の化身。(ヒンドゥー教的インド統合)

この鼠信仰は当該地域限定のようだが、全土的にシヴァ神信仰が定着しているので、鼠が聖なる動物に位置付けられており、全土からお参りする人が後を絶たないらしい。
  シヴァ神の息子象頭のガネーシャを支える鼠ムシカMushika or Mooshakraja"
何故に巨大象に小動物の鼠が組み合わせられるのか、大いなる疑問だが、暗闇中でも活動できるということだろうか。

そこらはよくわからないが、知力レベルも十分に高い生物であり、尊崇に値すると考えられているのは間違いなさそう。・・・
命の恩人への対応譚はそれを物語る。[#73]
洪水で王子、蛇、鼠、鸚鵡が流され苦行者が救う。王子以外は約束を守って財産提供。王子は気に喰わず、即位して、苦行者を処刑させようとする。ところが救った事実が明らかになってしまい、王は殺されてしまう。要するに、菩薩が王になるのである。蛇、鼠、鸚鵡は立派だが、悪は王子なのだ。

それにしても、齧歯類がミルクを飲ませてもらって生活しているのには驚かされたが、ジャータカでは齧る体質の動物との見方を披歴している・・・。
衣服が鼠に齧られて"凶"と出た。そこで、災難を避けるため急いで対処することに。ところが、苦労して棄てた服を修行者は着用。迷信から覚めよと諭すのである。[#87]
そうなると、"吉"だから鼠にミルクは、どうなるのかナ。

修行者になりすまし、騙して鼠を食べていたジャッカルも、鼠王にその正体を暴かれてしまい、その歯で首を噛み切られ死亡。[#128]窮鼠猫を噛むではない訳で、鼠君も結構やるもの。
(猫と鼠の話[#137]はすでに触れた。[→])

ただ、鼠は一般の四つ足動物とはかなり異なる生物との認識はありそう。

哺乳類と言うより、爬虫類等に似た動物と見なしているのかも知れない。そんな感じにさせるのが、蛇に噛まれて死んだ話。[#203]
仏法僧は無限だが、"蛇、蠍、百足、雲、蜥蜴、鼠"は有限と、仙人達に説明しており、特別な群としてまとめているようだから。つまり、三宝の力でこうした動物から身を護ることができるので、敬うべしという論理である。

齧歯類といえば、日本人が好む栗鼠がどうなっているのか気になるが、話題の対象にはならないようである。そこらじゅうに住んでいそうだが。
 印度縞椰子栗鼠/印度棕櫚松鼠Indian palm squirrel or Three-striped palm squirrel
 北縞椰子栗鼠/棕櫚松鼠Northern palm squirrel

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