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■■■ ジャータカを知る [2019.3.29] ■■■
[19] カメレオン
カメレオンは誰でもが知るユニークな爬虫類である。・・・
 樹木上棲。
  4足がクランプ状で尾を巻き付けることも可能。
  枝にしがみ付き状態の時が多い。
 動かず、多彩な擬態が可能。歩行は至って緩慢。
 大きな眼があり、左右単独に動かせる。
  視野はほぼ360°。長い舌を伸ばして捕虫。


アフリカ棲息爬虫類という印象が強いが、インドでもよく見かけるらしい。
 ●カメレオンChameleon/變色龍 or 避役
    @アフリカ(除;砂漠)/マダガスカル〜アラビア半島南部〜パキスタン/インド/スリランカ


その割には、ジャータカの話[#141]は習性を鋭く見抜いているようには思えず、余り練れていない感じがする。

と言っても、蜥蜴の大群が穴に棲んでいるとか、カメレオンが蟻塚的な地中に入るという観察はなかなかのものだが、背中に子供を乗せる行為の設定に無理を感じるからだ。
爬虫類系は基本卵は産みっぱなしだと思われる。せいぜいが、鰐のように孵化場所を護る程度では。・・・

幼い蜥蜴が一匹のカメレオンと仲良くなり、抱き付いて遊ぶようになった。それを聞いた蜥蜴王は、信用できない輩と仲良くすると一族が滅亡しかねぬから交流を止めよ、と。しかし、交流は続いたので、これは危険と非常用逃げ道を作った。
蜥蜴は成長し続け大きくなったが同じような付き合い方が続いた。カメレオンは、このままだと潰されかねぬと恐怖を感じ始め、トカゲ獲りの人間をその棲家にまで案内する。煙で燻されて、蜥蜴は次々と穴から出て来てしまい、即、殺されてしまった。周到に準備していた王だけは逃げることができたが。

鹿の項[→]で取り上げたように、ジャータカには「菩薩(釈尊) v.s. デーヴァダッタDevadatta/提婆達多」の教団内セクト対立抗争を反映している話が少なくないが、これもその一つ。
 蜥蜴王=菩薩(釈尊)
 蜥蜴息子=反逆修行者
 カメレオン=デーヴァダッタ
(反旗を翻した弟子)

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