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■■■ ジャータカを知る [2019.4.24] ■■■
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🐍蛇はナーガNāgarā/竜とは峻別されているようだ。

ナーガはコブラの精霊の神格化だから、他の毒蛇や大蛇は別途扱うことになるのだろう。コブラが存在しない地域では、毒蛇は一括りになってしまうから概念的混乱は避けられまい。
ただ、ジャータカには大蛇を示唆する話は無い。「山海経」海内南経には象を食う大蛇"巴蛇[ハダ]"が記載されているというのに。

ただ、ナーガと呼んでいても実は蛇神だったりもするようだし、表面上は無縁でも大型祭礼では蛇神として扱われていたりするので実態は部外者にはよくわからない。
例えば、Kamakhya女神。16才だそうで、獅子の背で寝るシヴァに被さる蓮華座の上で薔薇色のサリーを着用。色変わりの3眼6面で、この年代の女心を表していそう。10本の腕が出ており、様々持者が見て取れる。どう見ても蛇には無縁のように映るが、蛇(serpent)女神と呼ばれているらしい。

正真正銘の蛇(serpent)女神はベンガル地域のManasaで、白鳥のこともあるが、蛇が乗り物である。

明らかに、コブラではなさそうなのが、日本で信仰を集める弁才天ことサラスヴァティーSarasvatīである。しかし、インドや中国のサラスヴァティーは蛇には無縁。インドでは河川神だったので、蛇神を習合するに至ったと考えるしかなさそうだが、かなり強引な変化である。
毒蛇の住む岩戸に坐す岩戸観音との構想も日本独自らしい。(武蔵が「五輪書」を執筆した岩窟))

さて、ジャータカ記載内容だが、コブラのナーガ王に対応するが如くに蛇王が登場する訳だが、こちらはかなり人間臭い描写である。・・・
[#253]マニカンタMaṇikaṇṭha(serpent)王…
宝石を纏う青年姿の蛇王と恋に落ちる苦行者。兄が忠告し関係は壊れる。
[#256]古井戸譚…
隊商が古井戸を掘り財宝を得たが蛇(serpent)王に殺される。
[#506]Campeyya蛇(serpent)王…
人間界に転生したい、と。
[#518]パンダラPaṇḍara(snake)王…
秘密を洩らし、ガルダの王garuḍaに捕まる。

一方、動物の蛇の方は、いかにも感あり。

すでに取り上げたように。・・・
[#73, #203][→鼠]
[#165][→マングース]
現代でも、ペットの蛇に手を噛まれる人は少なくない。血清があるのでどうにか助かるが、駄目なことも。蛇に目がない大好き人間は結構多いらしく、その眼に魅せられ飼うとも聞くが、どうなのだろうか。
[#43]竹蛇
毒蛇を息子のように育てた苦行者は噛まれて命を落とす。師匠の指示にしたがわなかったからである。

蛇も強いとはいえ天敵がいる。
[#154]
金翅鳥に狙われてしまい蛇は苦行者に助けを乞う。功徳を説いてどうにかおさまる。

どうしてか理由は判然とはしないが、わざわざ、ノコノコ出てきて噛みつくことがある。餌と誤認したようではなさそうだから、どこか目障りな点があるのだろう。
[#354]
畑でゴミを燃やしたら、煙が穴に入り蛇の目を刺激。婆羅門の息子が怒った蛇に噛みつかれ死んでしまった。ところが家族は悲しまず。帝釈天は、その姿勢が信仰から来たものか確認。
蛇の話というよりは猿の話だが、蛇使いの体質がわかる。蛇は可愛がって覚えさすことはできない。叩いても覚えないが、叩くことで静かになるようだ。言うまでもないが、猿は蛇とは違うのである。

蛇を有人のように大切に扱っており、首に巻いたりすることもある動物園の飼育係の人によれば、餌付けというレベルではないし、さっぱり懐かないそうだ。
[#365]蛇使
蛇使は猿を捕まえ蛇とプレイするよう訓練。ベナレスでのお祭りに、猿をコーン売りに預け、蛇と一緒に7日間活動。最後の日は籤引きだが、大層酔っぱらって帰り猿を酷く叩いた。主人が寝てしまったので猿は鎖を外して逃げた。気付いた蛇使は色々声をかけるが戻ることはなかった。

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