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■■■ ジャータカを知る [2019.4.27] ■■■
[48] 啄木鳥
啄木鳥は現代人にとっては、名前とアニメだけの鳥になりつつある。森林伐採と単一造林が進んでいる以上致し方なかろう。
ただ、棲息数が大幅に減っているだけで、山を歩く人ならその木を突く音は聞いたことがあるのではなかろうか。もっとも、鳥に関心がある人の場合に限るが。

わざわざこんなことを書くのは、森に澄む鳥のイメージでとらえると間違う恐れがあるからだ。この鳥は、健やかに育っている強く逞しい樹木を根城にしている訳ではない。それこそ、材木が林立していても、そこに餌があり止まれるような足場があるなら喜んでやってくる鳥。

つまり人家を訪問する鳥である。

おそらく、突く音で矢鱈に喧しいと感じた筈。なんとかならんかネ、というのが正直なところではなかろうか。そこらの感情がこもっていそうな啄木鳥譚が収載されている。・・・
[#210]アカシア森に住んでいた啄木鳥に"カンダガラカKandagalaka/堪達伽羅迦"という名前の友が訪問してきた。木を突いて出て来た虫で供した。大層な美味。同じ啄木鳥なのだから、それなら君を煩わすことなく、自分でやると言い出し、木を突いた。余りにも硬かったので嘴は壊れ頭が破裂。死んでしまった。

アカシアの木であるから、おそらく緑啄木鳥[アオゲラ]系統だろう。
インドと日本と種はそれほ大きくは違わないのではないか。
こんなところか。
  ▲山緑啄木鳥[ヤマゲラ]Grey-faced Woodpecker/灰頭緑啄木鳥@ヒマラヤ
  ▲ヒマラヤ緑啄木鳥Scaly-bellied Woodpecker/鱗腹啄木鳥
  ●木叩White-bellied Woodpecker/白腹K啄木鳥
  ●黄襟緑啄木鳥Greater Yellownape/大黄冠啄木鳥
  ×赤啄木鳥[アカゲラ]Great Spotted Woodpecker/大斑啄木鳥…渡りでインドへ
  ×(緑啄木鳥[アオゲラ]Japanese Green Woodpecker…日本固有種)

森棲息だが、どこにでも訪問するから、啄木鳥は友達を数多く持っていたと見られていたのかも。
[#206]すでに取り上げた。[→羚羊]

速疾鳥[#308]という名称の由縁はよくわからない。樹木から素早く虫を穿り出すという意味ではなさそうなので。話も単純だし。肉塊を食べて喉に骨を刺してしまった獅子が、腫れて痛んで苦しんでいた。そこにたまたま啄木鳥が通りかかり、その骨を取ってやった。しかし、感謝の一言もなし。

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