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■■■ ジャータカを知る [2019.5.22] ■■■
[73] 沙羅樹
釈迦入滅時の沙羅双樹が有名なので、ペアで生える訳でもないのにその呼び名が通るが、普通に考えれば、娑羅樹"Śāl" treeである。
30mもの常緑高木。チークと良い勝負の堅材が採れる。もちろんインド原産。(ジャールカンド州とチャッティースガル州の州樹)
   →「日本人が考えた沙羅双樹擬の木」(2013.8.20)

勿論のこと、ジャータカに登場する。
涅槃的な心の安らぎを得るのに最適な樹木と見られていたのではないかと思われる。 [#418]

[#497]賢者マータンガ(摩登伽)本生譚
この話はすでに取り上げた。[→蟻]
世襲王ウデナの公園で至福の時間を過ごすことを常にしていた長老が、ある日、満開の沙羅樹Sal-treeの下に坐した、という下りから始まる。
おそらく、高貴な人々がその樹木の下で休息することが多かったのであろう。

[#71]婆那樹譚
題名のヴァラナVARAṆAは魚木系(クラタエバ)類の樹木。薬用であろう。
題名にもかかわらず、そのような樹木が登場する訳ではない。ここはあくまでも樹木譚ということで付けられたと考えるしかあるまい。
話の筋としては、薪採りだからだ。ただ、特別な樹木を対象としている訳ではない。・・・
婆羅門達が森に薪拾に。怠け者が昼寝をしてしまい、急いで枝を採ろうとしれ目を負傷。しかもあわてたので、生木の枝を持ち帰ってしまう。
メイドが朝早く粥を作ろうとしたが、燃えず、そのうち太陽が昇ってしまう。
この前生の話の流れに沙羅樹Sal-treeが登場している訳ではない。その話をした際の釈尊の説法状況の説明に出て来るのだ。説法を聞きにやってきた30名の若者達が樹木に囲われた場所に坐して休んでいるというだけのこと。夜の開講を待ったようだ。その樹木名として、鉄木Iron-wood treeと共に登場しているにすぎない。

普段から、樹木にはお世話になっているというのに、無碍に生木を裂くような行為をすればどうなるかを語ったのであろう。

[#521]三鳥譚
王は沢山のお伴を引き連れて公園で楽しんだ後、王室の沙羅樹の下に置かれた寝椅子で一休み。見上げると鳥の巣があり欲しくなって、侍従に取ってこいと。そこには卵が3個。
別々の鳥のものだった。
 ・梟
 ・印度八哥"common" Myna/家八哥
 ・鸚鵡
王は持ち帰り子供として育て上げた。どの鳥も素晴らしい智慧を発揮して王を説諭。

[#74]樹法譚
新しい王は、樹木の妖精達に好きな所に棲むようにとの言葉を贈った。
ヒマラヤ地方の沙羅樹の森に賢い樹木に妖精がおり、一族に自分の住処の周りを囲むように集まり、互いに寄り合って住むようにとアドバイス。
しかし、愚かな者は数多く、森ではなく、尊崇対象にされてお供えされる街側がよいと。しかし、そのような地の立派な木も強大な嵐の前には一溜りもなく壊滅。ヒマラヤへと移るしかなくなってしまった。
この賢い樹木の妖精(fairy)は前世の釈尊。他の妖精は釈尊に従う信者達。

[#465]跋陀娑羅樹神譚
一本柱の宮殿を建てようということで、立派な高木が必要となり、選ばれた樹木"Bhaddasala"に住む樹の妖精が、ともに住まう親族のためを思って王に訴える。
前世の役どころ。・・・
  弟子阿難=王
  釈尊従者=沙羅の木の若木の神々
  釈尊=Lucky Tree…Good sal tree

釈尊は樹木だったのである。

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