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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.11.10] ■■■
[附 42] 大寺変遷
収載譚に登場する寺については一瞥してみたが📖寺一覧、寺の取り上げ方が気になったので、大寺の流れも見たくなった。
  官寺(大寺 国分寺/国分尼寺)
  準官寺(有食封寺 定額寺 御願寺)
  私寺


イの一番は、大安寺だが、その変遷については、取り上げた。📖熊凝精舎

その隆盛は急速に失われたとはいえ、官寺として国家の重責を担ったのだから、もう少し取り上げてもよさそうに思うが。「今昔物語集」編纂者は冷淡である。

特に、現代でも、様々なお寺で行われている大般若会は法会に取り上げてもよさそうに思うが。
ご存じ、最大の仏典「大般若波羅蜜多経」600巻(約500万字)の転読イベントである。「三宝絵詞」下巻17(四月)でも大安寺大般若会が記載されている訳だし。📖法会一瞥
歴史的にはこのようになっている。・・・
703年 文武天皇命で藤原京<四大寺>が転読の大般若会開始
737年 大安寺の毎年の行事に。
    
(大安寺四月六七両日大般若会[@「延喜式」927年])
"大安寺伽藍の造営を勾当した道慈律師は、・・・天平元年[729年]には律師に補せられています。それから数年後、凶作がおこり、藤原四兄弟を死に至らしめた疫病が蔓延して、人々は恐れおののきます。道慈は大般若経を転読(真読ではないということ。)して天下の平安を祈ることを奏請して許され、大安寺における恒例の大般若会が始まりました。"[@大安寺HP]

770年 疫病の勅。「大般若経」7日間転読。[@「続日本紀」]

<官寺>639年 <大官大寺>677年大寺制。
 (熊凝精舎⇒百済大寺⇒高市大寺⇒)大官大寺(⇒[平城京移転]大安寺)
<四大寺>680年 3寺追加
 (蘇我氏私寺⇒飛鳥寺⇒)法興寺(⇒平城京移転元興寺)
 (川原寺⇒)弘福寺@飛鳥
 薬師寺
<(飛鳥)五大寺>686年天武天皇追善
 大官大寺 飛鳥寺 川原寺 豊浦寺 坂田寺
<七大寺>756年。四大寺に追加。
 (厩坂寺⇒山階寺⇒)興福寺
 東大寺
 法隆寺@斑鳩
<地方戒壇寺><国分寺・国分尼寺>
 観世音寺@大宰府
 下野薬師寺@下毛野
<(南都)七大寺>(弘福寺@飛鳥 除外)
 西大寺…765年創建
<十大寺>791年[764〜770年百万塔安置寺]
 四天王寺@摂津
 崇福寺@近江
 (弘福寺)
<他大寺>
 梵釈寺@近江志賀 大津宮
 (豊浦寺⇒)建興寺@飛鳥(⇒向原寺)
 法華寺
《(「延喜式」)十五大寺》十大寺に追加。
 (唐)招提寺
 新薬師寺
 本元興寺@飛鳥
 東寺/教王護国寺@京
 西寺@京
《主要寺》
 大后寺 不退寺 超昇寺/超証寺 竜興寺 宗鏡寺/崇敬寺
 檀林寺 貞観寺 元慶寺 仁和寺 醍醐寺 浄福寺 勧修寺
{五大官寺@畿内}
 東大寺 興福寺 延暦寺 教王護国寺/東寺 園城寺
{鎌倉五山}
{京都五山}

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