情報家電の研究開発(1)…



 下図は情報機器事業の上流から下流に至る産業分野を大雑把にまとめたもの。

 このうちで自社の武器とすべき部分を明確にする必要がある。
 日本企業は漫然と全てをカバーしようと考えがちだが、これでは、力が発揮できない分野が増えてしまう。特に、設計と製造(ファウンドリー)の分化も含め、垂直統合の意義検討が重要だ。

 一般には、競争力を発揮できそうに無い領域は、すべて社外依存(アウトソーシング)に変えるのが原則だ。特に鍵を握るシステム部品など、もしも、大型市場ができるなら、大量生産に対応するためのマルチベンダー化に進むつもりか、自社生産なら業界標準品の独占的提供で進めるつもりかを決定する必要がある。前者なら、ファウンドリー標準化を進める必要がでてくる。

 こうした分業化施策は驚くようなものではない。

 ミクロでは、とっくに進んでいる。例えば、特許明細書作成や特許出願手続きは外注が当たり前だろう。といって、特許戦略策定を外注することはあるまい。なぜなら、競争力向上の鍵を握る部分だからだ。

 この考え方と同じで、マクロでも重要な業務の絞り込みを進めない限り、熾烈化する競争環境の中で勝つどころか、生き残りさえ難しくなろう。すでに、多くの部分について、外部から支援を受ける体制はできつつある。インターネットの普及で、グローバルに他社資源を利用できるようになってきたからだ。

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