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■■■ 「古事記」解釈 [2021.2.20] ■■■
[50] 稗田阿礼の爆笑傑作
"ha-ha"😁"聖帝"として誰でもが知る[16]代大雀命/仁徳天皇からは下巻になる。

この天皇譚で、一番力が入っている記載事項は、"國中烟不發 國皆貧窮"から始まる善政譚ではなく、女鳥王譚の方。
小生は、皇位継承大抗争に終止符を打った天皇として描こうとしていると見ており、皇后位の取り合い話が入ってくるのは極く自然だが、そこに兄弟争いまだ収まらず譚を入れ込んであるように見える。
こんな編纂をすれば、焦点がボケるというのに、そこに矢鱈に力が入っている。

どういうことか、なかなか理解ができなかったが、口誦叙事詩として人気を博す箇所を是非にも収録したかったということのようだ。そう思って読むと、なんと、傑作中の傑作ではないか。"聖帝"とされているが故の抜群の面白さ。

おそらく、太安万侶も稗田阿礼のエンターテイナーとしての才能に舌を巻いたに違いない。

大雀命のエスプリをしかとわからぬ真面目な老臣譚とは違うからだ。📖鴈産卵の戯歌も収載
なんと、完璧なオチョクリ話。危ない危ない、の部類。
しかし、おそらく皇室内で人気を呼んでいた、雀と隼が雌を取り合うお話なのでセーフということだろう。ソリャ、隼の方が魅力的、とか言い合ったりしていたのでは。

ただ、それが読みとれるかは、頭の柔らかさ加減に左右されるが。

この様な筋である。・・・
大雀命天皇には、仕える弟がいた。
  名前は、速總別王(敏捷な隼)。
庶妹の女鳥王を娶りたいので、仲媒をさせた。

すると、女鳥王は速總別王に語った。
 「皇后の意に逆らえない天皇の妻は御免蒙ります。
  汝の妻になろうと思います。」
そして二人は意気投合し結婚。速總別王は復命せず。

天皇、そうとも知らずに女鳥王を訪問。
御殿の敷居を跨ぐと機織りの最中。

【天皇御製】 女鳥の 吾が大王の 織ろす機 誰が料ろかも
【女鳥王返歌】 高往くや 隼別の 御衣裾が料
天皇すごすごご帰還。

そこに、夫の速總別王到来。

【女鳥王の歌】 雲雀は 天に駆ける 高往くや 隼別 雀獲らさね
まだ、のそのそしていた天皇、その歌を耳にした。
謀反ありと見て、軍を興して殺してしまうことに。
速總別王と女鳥王は共に逃げて、倉椅山に登った。

【速總別王の歌】 梯立の 倉椅山を 険しみと 磐懸きかねて 吾が手取らすも
        梯立の 倉椅山は 険しけど 妹と登れば 険しくも非ず
そして、そこからさらに逃げたものの、
宇陀の蘇邇で軍に追いつかれてしまった。
 :

と言うことで二人は臣下に殺されてしまうが、話はさらに続く。

これはまさしく後世の歌物語となんらかわらぬ。

そうそう、大雀命の御陵は毛受[=百舌鳥]@和泉国大鳥の耳原(端)と、鳥尽くしで完了している。

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