→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2021.10.18] ■■■ [290] [私説]大国主神の複雑性解釈 もちろん、それは多分に読み手の感受性に依存するので、そんな風には感じられない方だらけというのが実態だろうが。 それは、単に、大国主命の名称が多岐に渡る点の解釈の問題と言えなくもない。・・・ ___ 大國主神 亦名謂 大穴牟遲神 ⇔ "所作天下大神"大穴持命 ⇔ 大汝神 亦名謂 葦原色許男神 ⇔ 葦原志許乎命 亦名謂 八千矛神 亦名謂 宇都志國玉神 ___ 并有五名 ___ @播磨國…伊和大神/大神 ___ 地名通称…(杵築大神 出雲大神) 一見、錯綜しているように見えるが、その実単純で深く考える必要はなさそう。3書を読めば、大穴牟遲神⇒大國主神という流れを示しているに過ぎないことに気付かされるからである。・・・ ○須佐之男命 📖宇都志國玉~の宮 │ │┼┼┼┼○大山津見神 │┼┼┼┼└┬△n.a. │┼┼┼┼┼├─┐ │┼┼┼┼┼○足名椎 │┼┼┼┼┼└┬△手名椎 │┼┼┼┼┼┼├┬┬┬┬┬┐ │┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼│ └┬───────────△櫛名田比賣 ┼○八島士奴美神 ┼↓ ┼↓ ┌┘ ○天之冬衣神 │┼┼⛩重蔵神社@輪島河井(御祭神:天之冬衣命+大国主命) │ │┼┼┼┼○刺国大神 │┼┼┼┼└┬△n.a. └┬────△刺国若比売 ┼│┼⛩赤猪岩神社 ┼│┼@西伯南部(御祭神:大国主神+刺国若比売命+素戔嗚尊+稲田姫命) ┌┘ ○(大国主神) └┬△八上比売@因幡国…"大穴牟遲神" │○n.a. └┬△須佐之男命の娘 須勢理毘売@根の国 │○n.a. └┬△沼河比売@高志国(糸魚川産"翡翠")…"八千矛"神 │○n.a. └┬△多紀理毘賣@宗像⛩奥津宮 │○阿遅鋤高日子根神 └┬△神屋理毘賣 ││┼⛩美保神社@松江(御祭神:事代主神+三穂津姫命) │○事代主神 │┼┼┼┼○八島牟遅能神 │┼┼┼┼└┬△n.a. └┬────△鳥耳神 │○鳥鳴海神 └┬△n.a. │○建御名方神@諏訪 │ <妻問婚譚> └┬△綾門日女命@出雲郡宇賀郷 └┬△真玉著玉之邑日女命@神門郡朝山郷 └┬△八野若日女命@神門郡八野郷 5つの呼称があれでも、大穴牟遲神⇒大國主神と見なす理由は、他の3つが特例だからだ。・・・ 葦原色許男神とは、葦原中国の神に対する、境界外での呼称。八千矛神は越(高志)来訪時のみに用いられており、日本海をレガリアを示し、武器を誇示することで支配を進めた事績に当たる。他で通用する名称とは思えない。宇都志國玉神とは、八島の王権を意味する魂を受け継いだとの言上げをいみしているのだと思う。 そのように考えれば、大穴牟遲神⇒大國主神とは、山人勢力(農耕)⇒海人勢力への権力移行ということにほかなるまい。 つまり、大山津見神・八島士奴美神・刺国大神・大穴牟遲神は山側ということになる。大穴牟遲神の本拠は出雲であっても東であり。伯耆・因幡がベース。 大国主神〜鳥鳴海神の出雲系譜は海人であり、日本海での活動がベースとなっており、出雲の西側が拠点である。筑紫から目視航海で流れに乗れば最初に到達する美保や杵築辺りということ。海人系は、開拓と治水、マネジメントに秀でていたのだろうが、すでに大穴牟遲神による農耕儀式が広がっていたことになる。それに、海人がもたらした新技術が乗っかっていったのであろう。従って、大穴牟遲神=大国主神と受け取ったところで、間違いという訳ではなかろう。 (C) 2021 RandDManagement.com →HOME |