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■■■ 「古事記」解釈 [2021.12.1] ■■■
[334]中巻初代天皇段所収歌13首検討
上巻所収歌9首に引続いて📖、中巻冒頭の初代天皇段を見ることにしよう。と言ってもすでにとりあげている部分を再考ということで。
  📖久米部歌謡こそ和歌原型

   《中巻初代天皇段》…13首
<東遷敗色脱却となる戦勝後の酒宴>…1首
<東遷続々勝利を誇る久米族>…5首
<即位後の皇后探し>…5首
<崩御後 皇后が皇子の危機を救う>…2首

---①神倭伊波礼毘古命@畝火之白檮原宮/神武天皇
[_10]【自軍兵】@東遷戦闘勝利
        爾卽控出斬散 故 其地謂"宇陀之血原"也然而
        其弟宇迦斯之獻大饗者悉賜其御軍 此時歌曰:

    宇陀の高城に 鷸羂張る
    吾が待つや 鷸は障らず
    いすくはし 鯨障る
    先妻が 肴乞はさば 立ち柧棱の実の無けくを こきし聶ゑね
    後妻が肴乞はさば 柃実の多けくを こきだ聶ゑね
    "疊々" しや越や 此は威のごふぞ
    "疊々" しや越や 此は嘲咲らば

[_11]【久米人】@東遷敵を騙し討ちにする合図
        故明將打其土雲之歌曰:
    忍坂の大室屋に
    人多に 来入りをり
    人多に 入り居りとも
    みつみつし 久米の子等が
    頭椎い 石椎い持ち
    討ちてし止まむ
    みつみつし 久米の子等が
    頭椎い 石椎い持ち
    今討たば宜し

[_12]【〃】@東遷戦いに当たって気勢を上げる
        如此歌 而 拔刀 一時打殺也
        然後 將擊登美毘古之時 歌曰:

    みつみつし 久米の子等が
    粟生には 臭韮一本 苑が本
    そ根芽繋ぎて
    撃ちてて止まむ

[_13]【〃】@東遷我慢
        又歌曰:
    みつみつし 久米の子等が
    垣下に植ゑし椒 口疼く
    我は忘れじ
    撃ちてし止まむ

[_14]【〃】@東遷神風をめぐって気勢を上げる
        又歌曰:
    神風の伊勢の海のおひしに
    い這ひ廻る細螺の
    撃ちてし止まむ
    撃ちてし止まむ

[_15]【〃】@東遷兵士空腹
        又 擊兄師木弟師木之時 御軍暫疲 爾 歌曰:
    盾並めて 伊那佐の山の木の間ゆも
    い行き守らひ 戦へば
    吾はや飢ぬ
    嶋つ鳥 鵜飼が伴
    今助けに来ね

[_16]【大久米命】地場婚姻推奨
[_17] ├【天皇】嫁(皇后)選び
[_18] ├【伊須氣余理比賣】大久米命の目の入墨の珍奇性
[_19] ├【大久米命】回答
[_20] └【天皇】伊須氣余理比賣との夜を懐かしむ
        於是七媛女遊行於高佐士野【佐士二字以音】伊須氣余理比賣在其中
        爾 大久米命 見其伊須氣余理比賣 而 以歌白於天皇曰:

    大和の高佐士野を 七行く乙女ども
    誰をし枕かむ

    ↓
        爾 伊須氣余理比賣者 立其媛女等之前
        乃 天皇見其媛女等 而 御心知伊須氣余理比賣立於最前 以歌答:

    且も いや前立てる
    姉をし枕かむ

    ↓
        爾 大久米命 以天皇之命詔其伊須氣余理比賣之時
        見其大久米命黥利目 而 思奇歌曰:

    胡鷰子 鶺鴒 千鳥 ま鵐
    何故黥ける利目

    ↓
        爾 大久米命答歌曰:
    乙女に 直に逢はむと
    吾が黥ける利目

    ↓
    葦原の穢しき小屋に 菅畳 いやさや敷きて 吾が二人寝し
[_21]【伊須氣余理比賣】御子に危機迫る
[_22] └【伊須氣余理比賣】御子に危機を知らせる
    狭井川由雲立ち渡り 畝傍山 木の葉騒ぎぬ 風吹かむとす
    ↓
    畝傍山 昼は雲と居 夕去れば 風吹かむとぞ 木の葉騒げる

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