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■■■ 「古事記」解釈 [2022.4.19] ■■■
[473]文字"七"は文字通りの7
8を眺めたので📖文字"八"への気配り、7を続けてみておこう。

用例は少ないし、7を特別視しているようだが、8のように最大観を与えるような意味ではなさそうなので、どのような意味があるのかはわからない。

稱"神世[かみのよ]七代[ななよ]"
稱"[とをよ]_[あまり]七世[ななよ]神"
七年坐…神倭伊波礼毘古命@阿岐国多祁理宮
[名]七媛女…(incl.伊須気余理比売)遊行@高佐士野
[名]七拳脛…久米直の祖(膳手)

取其燒遺木作琴 其音響七里
…高安山の木とすれば、現代の地名では八尾。八里に響き渡った訳ではない。歌が収録されているが、"ナ"音はあるものの、"七"文字は不使用。("ナ"音素文字に使えるのは、名那汝穴莫魚無菜不勿があげられる。)
[_75]【人々】木船琴
  枯野を 塩に焼き 其が余り 琴に作り 掻き弾くや 由良の門の
  門中の海石に 触れ立つ 水浸[那豆]の木の さやさや


言うまでもないが、数字の7の表記には数多く使われている。・・・
   (自其餘七十七王者) (故七日之後)
   目弱王是年七坰 (此天皇之御子并七柱) (并十七王之中) (并七王)
   <割注での数表記の7>


「万葉集」では、七は数だけでなく、音素文字としても使用されている。7月7日七夕の歌は別扱いすべきだろうが、八重でなく七重、八瀬でなく七瀬という語彙も使っている。七世 七条 七種という表現から見て、祭祀的には七を好んでいたのだろう。
(な)
[巻三#263] 志賀尓安良七國…志賀にあらなくに
[巻四#506] 吾莫七國…我れなけなくに
[巻六#963] 奈具佐米七國…慰めなくに
[巻六#1066] 濱有七國…浜ならなくに
[巻九#1781] 名木名六時毛 渡七六…なぎなむ時も渡らなむ
[巻十三#3298] 戀度七目…恋ひわたりなめ
(7)
[巻三#340] 古之七賢人等毛…いにしへの七の賢しき人たちも
[巻三#420] 天有左佐羅能小野之七相菅…天なる ささらの小野の 七節菅
[巻四#694] 戀草呼 力車二 七車 積而戀良苦 吾心柄…恋草を 力車に 七車 積みて恋ふらく 我が心から
[巻四#743] 吾戀者 千引乃石乎 七許 頚二将繋母 神之諸伏…我が恋は 千引の石を 七ばかり 首に懸けむも 神のまにまに
[巻五#860] 麻都良我波 奈々勢能與騰波…松浦川七瀬の淀は
[巻五#904] 世人之 貴慕 七種之寶毛我波…世間の 貴び願ふ 七種の宝も我れは
[巻七#1366] 明日香川 七瀬之不行尓…明日香川七瀬の淀に
[巻八#1537] 七種花…ななくさのはな
[巻十三#3303] 河瀬乎七湍渡而…川の瀬を七瀬渡りて
[巻十六#3875] 珠乃七條…玉の七つ緒
[巻十六#3885] 七重花佐久…七重花咲く
[巻十九#4256] 七世申祢…七代申さね
[巻二十#4431] 奈々弁加流…七重着る
(7日)
[巻九#1740] 鯛釣矜 及七日…鯛釣りほこり 七日まで
[巻九#1748] 吾去者 七日者不過…我が行きは七日は過ぎじ
[巻十#1917] 七日四零者 七日不来哉…七日し降らば七日来じとや
[巻十#2032] 一年邇 七夕耳…一年に七日の夜のみ
[巻十#2057] 今之七夕…今し七夜を
[巻十#2089] 七月七日之夕者…七月の七日の宵は
[巻十一#2435] 七日越来…七日越え来む
[巻十三#3318] 今七日許…いま七日ばかり
(7⇒奈)
[巻十七#4011] 【奈】奴可乃乎知波…七日のをちは

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