■■■ 「古事記」解釈 [2023.5.8] ■■■
[684] 「古事記」仮名８母音 宇
アイヰとくればウだが、この音は実は＜u＞ではなく、＜ɯ＞らしい。母音ではあるものの、ワ行の子音＜w＞と似たところがある訳だ。従って、＜wi＞を＜うぃ＞としてしまいかねない。サンスクリットの音分別に則って行うのは。この手の音の場合は厄介であり、大陸翻訳文字使用は考えものということになろう。
④ウ（宀:宇の冠）う（〃） [萬]宇…宇 📖"阿～和"全８７音素設定 📖[追記]
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梵語【悉曇 摩多】उ[ウ/オウ]塢…譬喩 ऊ[ウー/オウ]汚…損減
塢 [呉音]ウ [漢音]ヲ [訓]とりで
汚 [呉音]ウ [漢音]ヲ [訓]けがす けがれる よごす きたない
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紛らわしい音の、汚を避けるとなれば、于でもよさそうだが、助詞的に用いられている文字なので、その類縁でもある宇が最適ということになろう。
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[呉漢音]ウ・・・宇知和多須:うちわたす 宇遅 宇陀 宇氣比
宇 【正音】[訓]ひろ のき いえ
[呉音]ウ [漢音]ヲ・・・於天之石屋戸伏汙氣
汙/汚/污 【正音】
[呉漢音]ウ・・・[巻十三#3236]于遲乃渡:うぢのわたり
于/亏/(於) 【正音】[訓]ここに etc. [置字]wa
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さて１文字１音の訓＠「萬葉集」用法だが、鵜と兔が代表用法と見てよさそう。
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[訓]う・・・鵜養:うかひ
鵜 [呉音]ダイ [漢音]テイ
[訓]うみ・・・海塩:うしほ
海 [呉漢音]カイ
[訓]う or うさぎ・・・上菟上國造
菟/兎/莵 [呉音]ヅ [漢音]ト
[当て代替字慣用訓]う "免寸"・・・免寸河:ときのかわ or うきがわ(浮木)
免 [訓]まぬか-れる [呉音]メン [漢音]ベン
[漢語干支慣用訓]う (丁卯)＠⑯天皇・・・
卯 [呉音]ミョウ [漢音]ボウ
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音文字の代表は、烏と羽と言うことになる。
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[呉音]ウ [漢音]イウ・・・[巻五#850]有米能波奈:うめのはな
有
【正音】[呉音]ウ [漢音]ヲ・・・[巻五#816]烏梅能波奈:うめのはな
烏
[呉漢音]ウ・・・【正音】[巻十六#3817]可流羽須波:かるうすは
羽
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省略１音化用法＠「萬葉集」は目立たない。
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[呉漢音]ウン・・・【略訓】[巻十六#3817]雲根火雄男志等:うねびををしと
雲
[訓:"う"⇔"を"]うべな-う・・・[巻十六#3796/3798]否藻諾藻:いなもをも
諾[呉音]ナク [漢音]ダク
[訓]う-る or え-る・・・【借訓】[巻十二#2877]得田直比來:うたてこのころ
得
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もっとも少し本気になって探せば、結構色々ありそう。テキスト解釈を信用すれば、という前提ありきではあるものの。
右[巻二十#4494左注]右中辨大伴宿祢家持:うちゆうべん
内[巻八#1591左注]内舍人:うどねり
鸕(⇒鵜)[巻十九#4191]鸕河立:うかはたて
雨[巻一#13]風雨:ふうう
座[巻十#1912]雖立雖座:たつともうとも
打[巻四#784]打乍二波:うつつには
棘[呉音]コク [漢音]キョク [訓]いばら とげ[巻十六#3832]棘原苅除曾氣:うばらかりそけ
猒[呉漢音]エン [訓]あき-る[巻十九#4214]猒家口都良家苦:うけくつらけく
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