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■■■ 「古事記」解釈 [2023.7.19] ■■■
[749] 太安万侶:「漢倭辞典」
冠位十二階は603年制定。「隋書」倭国伝でも官の12等に触れられており、儒教の"徳目"たる<徳-仁礼信義智>の名称が用いられていると記載されている。
正五位上勳五等という官位がある以上、その辺りに知らん顔という訳にもいかないと思うが、天子独裁-官僚統治という儒教型の中央集権体制を嫌っていたということだろうか。文字使用から見て、反儒教的姿勢を打ち出したかったように見える。

国史編纂に参画し、優秀な人々が儒教型統治色に染まって行くのを見て、それだけはご免被るといったところか。

---儒教---
論語…論語十卷@⑮品陀和氣命
儒 孔 非使用
---三綱(父子 夫婦 君臣)---
3…於採御綱柏📖絲
非使用
---五倫(父子 夫婦 君臣 長幼 朋友)---
非使用
非使用
1…爲吾雖有大功 既殺己君是不義
87…別天~ 淡道之穗之狹別嶋<訓別云和氣> 天之忍"許呂"別 大戸日別~ 〜因河海 持別而生~名〜 別名
_… [序文漢文]幷序
8…其八俣遠呂智 信如言來 故 如夢教 而 旦見己倉者 信有横刀 比古布都押之信命(x2) 爾 其熊曾建白「信 然也・・・ 於是 其將軍既信詐 然 不賽其功 可謂無信 既行其信 還惶其情
---五常---
17…
2…及知釀酒人 名仁番  [序文漢文]是以 番仁岐命 初降于高千嶺
[再掲↑]
禮/礼98…深淵之水"夜禮"花~ ~倭伊波禮毘古命
11(11)…妹 須比智邇去~ 天之久比奢母智~ 國之久比奢母智~(x2) "久久能智"~ 八俣"遠呂智"(x2) 彼目如赤加賀智/赤加賀知[:酸醤] 美智皮之疊敷八重 本牟智和氣御子 旦波比古多多須美智宇斯王 八尋白"智"鳥<智字以音> 智奴王  [序文漢文]智海浩汗
[再掲↑]
---三(達)徳---
コ/徳_… [序文漢文]コ跨周王 御紫宸而コ被馬蹄之所極 可謂名高文命 コ冠天乙矣
[再掲↑]
[再掲↑]
非使用
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非使用
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上記のコンセプトを考えれば、多少とも儒教について知っていれば、その根幹は徳とか仁といったものではなく、宗族を第一義に考える観念にあることにすぎに気付く筈だが、そう言ってしまうと実も蓋もなくなってしまうが、この宗教人口はとてつもなく多いのでそれを直視し公言することが憚れるだけのこと。実は、この宗教には経典など不要なのである。そこは、文字表記を嫌った倭国の伝統的宗教観とよく似ているし、その後、姓とか本家・分家や、日本仏教式の菩提寺制度が導入されたので祖先崇拝ということで、類似性を漢字てしまう仕掛けになっているが、本質的に両者は相容れない。従って、表面上の友好関係以上に進むことはあり得ない。
現段階の"友好"とは、宗族にとって紐帯を結んでいる他宗族との当座採用している方策に過ぎないからで、決して、"友好"を目指すとか、"平安"が一番と考えている訳ではない。宗族の永遠性を図る上での"pros and cons"の判断以上ではない。徳とか仁とは絶対的概念でないことに注意を払うべきで、宗族祖崇拝ありきで、天子は天帝から選ばれた宗族に過ぎず、いつでも交代可能である。従って、宗族間の関係は安定しておらず、古代の部族角逐時代となんらかわらない。

ここらは、損得勘定以外に、善悪の基本原理が存在していると考える聖書の民や仏教徒とは本質的に異なる点である。そのため、日本国が仏教国化すれば、本来的には儒教とは相容れない筈だが、仏教が疑似宗族風習を取り入れたので、そこらはよく見えなくなっている。
これは、日本仏教の姿勢もあるものの、唐代迄連綿と続いて来た本家の儒教自体が、日本の武家政権時代辺りから大転換を遂げたことを意味しよう。ここらは、大陸4,000年の一貫した王朝転換史と考えたい人々にとっては、理解し難いところだろう。
ともあれ、儒教の合理性とは、宗族永続性という視点で長期的な"pros and cons"を考えるべきということ。ダメージを考えれば、どんなことでも決して譲れないと考えるべきではないというのが徳とか仁の本質で、圧倒的な強者になったら敵対していた宗族を抹消させるべしというのが、儒教型祖先崇拝の特徴。
非使用
51…於生終得三貴子   [序文漢文]得天統而包八荒 得一光宅(道教的)

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