■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
㊥⓮帶中日子天皇⓶崩御:筑紫之訶志比宮
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7 _大后おほきさき
7  息長おきなが_(の)たらし
7   日賣ひめ_みこと
7 そのとき~かみ_
5   よ-り_たまふ
7 しかるがゆゑに
7 天皇すめらみこと_
7  筑紫つくし訶志比かしひ_(の)
3    みや_(○○)
5       ましまし_
7    まさに 熊曾くまそ_
7     くに_うたむ_
5      __とき
7 天皇すめらみこと_
7    御琴みこと_ひ-き 
5 たけ_うち_(の)
7  宿禰すくね_(の)大臣おほおみ
7    沙庭さにはを-り_
3        ~かみ(○○)
6         おほせごと_(○)
5           こ-ふ  於是ここに
5 大后おほきさき
5  ~かみ_(に)よ-り_(て)
5   ことをし-へ
4    さと-し_(○)
6     のたま-ひ_(○)
 「
5   西にし_(の)かた_
7    くにあ-り  くがね
5     しろがね_
7      もとより__
5   ほのほ_(の)_ごと
4    耀かかや-く(○)
5     種種くさぐさ_
5      めづら-し_
6       たからさは-に(○)
7     _くに_あ-り
4    われいま(○)
5     歸賜_くに_
5      よ-せ・たま-ふ
         」

7 しかるがゆゑに
7  天皇すめらみこと_
6   こた-へまを-す(○)
 「
7   たか-きところ_
7    のぼ-り_ 西にし_
6     かた_み-れ(○)
7      不見くに_(の)つち_みず
6        ただ⇔ 大海おほうみ(○)
4         のみあ-り(○)
            」

5 謂為→1→2いつはり_
5  2←な-せる~かみ
5   _1←おも-ひ 
4 押退御琴みこと_(○)
7   お-し・しりぞ-け_
5     不控ひかずして
6       黙坐もだしませり(○)
7 しかるがゆゑに
5  _~かみ_
7   おほ-き_忿いかり
4     のたまふ(○)
 「
6   おほよそこの(○)
6    あめ_した(○)
4     いまし_(○)
7      非應知しらしめさざる(○)
4       くに_にて
4   いまし(○)
5    一道あるみち_
5     むか-ふ_べし
       」

3 於是ここに(○○)
5 たけ_うち_(の)
4  宿禰すくね_(○)
7   大臣おほおみまをす
 「
7   かしこみて _
6       天皇すめらみこと_(に)(○)
4    なほ (阿蘇婆勢)_(○)
6       おほ御琴みこと_(○)
4         あそばせ(○)
            」

7 しかるがゆゑに
4  やくやく(○)
5   取依_御琴みこと_(を)
5    と-り・よ-せ 
7     なまなまに那摩那摩邇ひ-き
5      ましまし_
7 かれ いまだいく
5   ひさしからず 
4 不聞御琴みこと(○)
5   _きかず
4 すなはち(○)
7  ともしび_(を)あげ_
5   _まつれ
3    すでに(○○)
6     かむあがり_(○)

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○突如、関門海峡付近の宮が2つも登場したのだから、史書的発想ならそれに係る事績がここでどうしても欲しくなるところ。しかし、太安万侶は冷淡そのもの。背景知識が左程無くても親征の理由は自明だからだろう。
中華帝国の圧力はただならぬものがあっただろうから、戦火の口火が切られることを想定すれば、関門海峡は戦略的要衝そのもの。そこでの防衛体制を盤石にするためには天皇が自ら赴かねばならなかったに過ぎまい。その防衛線を盤石にするためには、朝廷差配を無視している九州勢力を、先ずは叩いておく必要があろうと考えるのは自然なこと。
一方、軍事的パワーバランスを考慮すれば、倭(+朝貢国 新羅・百済)の地位を固め、唐(+属国 高句麗)と対峙する状況を作ることも、侵略防止には有意義なのも間違いない。

○3代連続の"帶-日子"天皇時代の最後。
  ⓬大帶日子淤斯呂和氣命 伊賀帶日子命
  ⓭若帯日子命
  ⓮帶中日子天皇

たらし>と読む所以は自明ではないが、古代おびは幅が狭く、腰部で一重に締め、余った部分は前に垂らす風習から来ているのは間違いなさそうだ。天皇親征的な進出があったことを意味しているようにも思える。この時代以前の言い方を踏襲しているのかも。
  ❻大倭帶日子國押人命 [兄]天押帶日子命
  📖"たらし"を帯と記載する理由

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