| ■■■ 「古事記」叙事的訓読 ■■■ ㊥⓯品陀和氣命⓼天之日矛參渡來 PREV⏪ ⏫ ⏩NEXT 【1:新羅國主之子】 5 又 昔 7 有➰新羅_國_ 6 主之子←(○) 5 名_謂➰天之 6 日矛_←(○) 4 是_人(○) 6 參渡來 也(○)
【2:女人晝寢時妊身生赤玉】 7 所以參渡來_ 3 ←者(○○) 7 新羅_國_ 7 有➰一_沼← 2 名_(○○○) 7 謂➰あぐぬま_← 7 此_沼之邊_ 7 一_賤 7 女晝寢 3 於是(○○) 5 日耀 6 如虹_←(○) 7 指➰其_陰_上_ 5 ←_ 亦 7 有➰一_賤 5 夫← 4 思異➰其_狀(○) 6 2←_1←_(○) 5 恒_伺➰其_ 4 女人之(○) 5 行 _ 5 ←_ 7 故 是_女人 7 自其_晝寢_ 7 時←妊身 7 生➰赤玉_←_ 5 爾 其_ 5 所伺← 7 賤夫 3 乞_(○○) 7 取➰其_玉_← 7 恒_裹_ 6 著➰腰_←(○)
【3:捕人(非殺牛)】 4 此_人(○) 7 營➰田 於山谷之間← 7 #←_*←_ 6 故 耕(○) 4 人等之(○) 5 飮食_ 7 負➰一_牛_ 4 ←_ 而(○) 5 入➰山谷之 5 中_←_ 7 遇逢➰其_ 7 國_主之子 7 天之日矛_ 5 ←_ 爾 5 問➰其_人_ 5 ←_曰 「 7 何 汝 7 飮食_ 7 負➰牛_←_ 7 入➰山谷_← 7 汝 必 6 殺_ 食➰是_(○) 7 牛_←_ 」 4 卽 (○) 5 捕➰其_人_ 7 ←_ 將 7 入➰獄囚_← 4 其_人(○) 7 答_曰 「 5 吾非殺➰牛_ 4 ←(○) 7 唯 送➰田_人之 6 食_(○) 5 ←耳 」 5 然 7 猶 不赦
【4:玉化美麗孃子】 3 爾 (○○) 5 解➰其_腰之 7 玉_← 幣➰其_ 7 國_主之子_ 4 ← (○) 4 故 赦➰其_(○) 4 賤(○) 4 夫_(○) 4 ←_(○) 5 將來➰其_玉_ 7 ←_ 7 置➰於床邊←*← 4 卽 (○) 5 化➰美麗 7 嬢子_←_ 7 仍 婚 6 爲➰嫡妻_←(○) 3 爾(○○) 5 其_嬢子 3 常_(○○) 5 設➰種種之 5 珍 6 味_(○) 7 ←_ 恒_ 6 食➰其_夫_(○) 5 ←_
【5:女人逃遁渡來留于難波】 4 故 其_(○) 7 國_主之子 7 心奢_ 5 妻_詈 7 其_女人言 「 7 凡 吾者 7 非{應爲➰汝_妻_ 5 ←*←之 7 女_}#← 5 將行➰吾_祖之 3 國_(○○) 6 ←(○) 」 4 卽 (○) 4 竊 (○) 7 乘➰小船_←_ 2 逃遁(○○○) 7 渡来_ 4 留➰于難波←(○) 5 ←_ 【此者坐難波之比賣碁曾社謂阿加流比賣~者也】
【6:天之日矛追渡來】 3 於是(○○) 7 天之日矛_ 4 聞➰其_妻(○) 7 遁_←_ 4 乃 (○) 7 追渡來_ 7 將到➰難波_ 5 ←_ 5 _之間 其_ 7 渡之~_ 7 塞_以 5 不入_
------------------------- ○皇位継承が宙ぶらりん状態との記述の次に、突如、天之日矛が登場するので、どうしても唐突感は否めないが、新羅へ親征した皇后の系譜にかかわる話であり、女系末子相続的慣習を想い起させたから、触れざるを得ない。と云うことで、ここは、実は自然な流れ。 女系型とは、皇后の父方が政治の実権を握るという構造になっているともいえるから、そこらがどういうことになっているか触れておく必要があるからだ。ただ、話の方は、父ではなく、祖先から始まるので、この記述の捉え方は色々とありそう。 書いてあることは単純。皇后の祖は新羅国であるものの、たいした話ではないということ。・・・その国の風土文化は表面的に倭と似てはいるものの、宗教観も倫理観も根本的に異なっているというだけ。新羅から見れば倭は魅力的だが、逆は成り立ってこなかったことになろう。この皇后にしても、新羅に親征し服属させたものの、国土そのものは魅力がなく、馬と難波-筑紫-半島の交易ルート確保以外に興味なしとの態度ありあり。 (おそらく、気候的に稲作可能な時代だけは倭人大挙進出。それ以外の交流は斑模様だろう。素鉄調達先である点を除けば、基本的に、中華帝国とのバッファー役でしかないからだ。そういう意味では倭国にとっては重要な国だが、半島文化自体にはほとんど魅力を感じていなかったと見てよいだろう。両言語の基本単語にほとんど同一性が無いのは当たり前。 ところが、唐が日本列島まで直接的支配を及ぼそうと画策し始めた様子なので、その見方を変える必要が急遽浮上した訳だ。)
○ここらは、早くに儒教国化したツングース系文化をよく伝えている。 山で農耕を行うのは賤民。地勢的に農耕適地が限られ、しかも寒冷な国土であり、部族絶滅を避けるには略奪しかありえなくなる環境下なのだから当然の扱い。倭的にこの話を読めば、王子が賤民にヤクザ的ないいがかりをつけるシーン以外のなにものでもない。しかし、生き残るには、賄賂と武力強奪しかなくなってしまう状況に陥り易い社会では、倫理的に気になるような行為がなされた訳ではない。太安万侶は冷静な引用に留めており、流石である。 ともあれ、新羅人には、倭の物品に対するあこがれがあり、その地の方が棲み易いとの観念もありそう。古代から、日本列島に移住というか、難民的に辿り着いた人が少なくなかったと考えてもよさそう。
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