■■■ 「古事記」叙事的訓読 ■■■ ㊥⓯品陀和氣命⓻大雀命與宇遲能和紀郎子各讓天下 PREV⏪ 3 5 4 5 5 5 4 6 5 7 5 5 7 7 5 3 7 7 3 7 5 5 4 5 5 5 6 7 7 3 ≪ 3 6 5 ≫ 5 5 5 3 6 2 5 3 6 6 ------------------------- ○天皇崩御後の皇位継承を巡って、外されていた長男が末子の太子に戦いを挑むが、計略に乗せられあえなく最期をとげ、次は、次男と末子の争いに突入するというのが順当だが、両者謙譲しあうの図となる。 「古事記」がこの天皇代で巻を改めることになるのは当然といえよう。 ・・・倭国伝統の仕組みは女系。従って、天皇は末子相続となるのが基本。次男 大雀命が天皇の意向を忖度して末子継承方針を支持したのは伝統に従っただけと言えないでもない。 しかし、画期的なのは、天皇詔のもともとの太子が、兄が仕掛けた権力簒奪闘争をかわしたのにもかかわらず、堂々と即位に踏み切るどころか、即位固辞という点。 実質的政務者を命じられていた大雀命との権力闘争勃発を予見していたともとれるが、ここでの記載の調子から見て、そこに焦点が当てられている訳ではない。 ここで重要なのは、あくまでも両者が皇位を譲り合ったという点。これは、倭国には欠落していた姿勢で、そもそも美談にもならない。称えられるのは、もっぱら、末子だけが有する幼さの中に秘められた熱情と類稀なる力だからだ。 インターナショナル化が進んで考え方が大きく変わってきたことを示す記述が続いていると見て間違いない。 (C) 2024 RandDManagement.com →HOME |