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■■■ 「古事記」解釈 [2022.10.24] ■■■
[歌鑑賞22]畝傍山昼は雲と居
【伊須氣余理比賣】御子に危機を知らせる
宇泥備夜麻うねびやま 比流波久毛登韋ひるはくもとゐ 由布佐禮婆ゆふされば 加是布加牟登曾かぜふかむとぞ 許能波佐夜牙流このはさやげる
㊄(5-7)-(5-7)-7

    又歌曰
畝傍山  畝傍山は
昼は雲と居  昼は雲が動き
夕去れば  夕方になると
風吹かむとぞ  風が吹きそうになって
木の葉騒げる  木々の葉が騒がしくなっています

No.21と22は、ほぼ同様なので、重複感を与えるが、前者では狭井川の瑞兆が広がっているので、畝傍山で後継の地位確保に注力している勢力が暴発する可能性ありとの内容だが、後者は畝傍山内部が騒然としており、夜襲に踏み切りそうだということで、緊迫感がある歌に仕上がっている。

女系で末子相続の慣習がまだまだ色濃かった時代を示すためには、2つの歌を通じて是非とも伝えておきたい皇位継承騒動なのだろう。

表面的には、アラートの歌だが、当事者からすれば、長兄打倒の決起を促されたことになろう。そして、皇后の目論見通り、末子が継承。

その、神沼河耳だが、磯城土着の女王を后にしており、宮を高台に造り一直線で狭井川を眺めることができるようにしたことになる。一言主-大物主連合でもある。📖葛城高岡宮
   宮─畝傍山─三輪山麓

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