→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2022.11.23] ■■■ [歌鑑賞51]千早振る宇遅の済に棹取りに ㊄(5-7)-(5-7)-7 渡到河中之時 令傾其船 墮入水中 爾 乃 浮出 隨水流下 即 流歌曰 千早振る 急流である 宇遅の済に 宇治川の渡し場にて 棹取りに 船の梶を取ることが 速けむ人し 迅速にできる(達者な)人は 我がもこに来む 吾の伴として来てくれ この後戦闘開始となり、大山守命は沈。挙兵失敗となる。 於是 伏隱河邊之兵 彼廂此廂 一時共興 矢刺 而 流 故 到"訶和羅"之前 而 沈入 【訶和羅】という地名譚に特段の意味が見いだせないから、ここらを取り込んで話を面白くしようとの意図があるのだろう。📖[安万侶サロン]まさかの親父ギャグ と言うか、皇位争奪三つ巴合戦の口誦話は人気で、エンタテインメントでもあったと考えた方がよさそうだ。 そうなると、この歌自体にも受け狙いが持ち込まれていてもおかしくない。 そもそも、両軍が対峙している状況であるというのに、皇嗣とされている宇遲能和紀郎子が船頭に成り代わって、長兄の皇子大山守命を渡すなどフィクションとしか思えないし。 ただ、そのどこに面白さがあるのかわかりにくい。 渡しという点では、稲羽素菟の騙しのテクニックが知られているから、その焼き直しだろうか。宇遲能和紀郎子の母 矢河枝比売は和邇でもあることだし。 (C) 2022 RandDManagement.com →HOME |